便秘解消には、食物繊維を含む食べ物(穀類・果物・野菜・海藻類・豆類・きのこ類・いも類)の摂取が重要です。
あわせて、不飽和脂肪酸を含む植物油・青魚・ナッツ類、オリゴ糖を含む果物やハチミツ、発酵食品などもバランスよく取り入れましょう。
食生活の偏りに気をつけて、水分補給も意識しながら、規則正しい生活習慣や適度な運動を心がけてください。
この記事では、便秘にまつわる悩みの解消に向けて、おすすめの食べ物や、便通を整える生活習慣について紹介します。
便秘解消におすすめの食べ物・飲み物

便秘解消のためには、水溶性・不溶性の食物繊維や、不飽和脂肪酸、オリゴ糖などを積極的に摂るとよいでしょう。
また、発酵食品や飲み物を活用するのもおすすめです。
この章では、便秘解消におすすめの食べ物と飲み物を紹介します。
水溶性食物繊維を含む食品:穀類、果物、野菜、海藻類など
水溶性食物繊維は、良好な腸内環境を保ち、便通を整えるうえで非常に重要な成分です。
食物繊維は胃腸で消化されずに大腸まで到達する成分で、水溶性と不溶性があります。
水溶性食物繊維には水分を含んでゲル化する性質があり、便を柔らかくして排出を促す、腸内の善玉菌を増やすなどの働きがあるといわれています。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物は以下のとおりです。
- 穀類:押し麦(白米に混ぜて炊く大麦)や、オートミールなど。
- 果物:キウイフルーツ、リンゴ、アボカドなど。
- 野菜類:オクラ、モロヘイヤ、ごぼう、にんじんなど。
- 海藻類:わかめ、めかぶ、昆布、ひじきなど。
野菜類では、オクラなどのネバネバ野菜にとくに多く含まれます。また、ごぼうは水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含みます。
ただし、水溶性食物繊維は大量に摂取するとお腹がゆるくなる場合があるので注意しましょう。
不溶性食物繊維を含む食品:玄米、野菜、豆、きのこ、いも類など
不溶性食物繊維は、水に溶けずに便のカサを増やして、大腸を刺激し排便を促すのに役立つといわれています。
不溶性食物繊維を多く含む食品は以下のとおりです。
- 穀類:玄米など。
- 野菜類:ブロッコリー、ごぼう、切り干し大根など。
- 豆類:大豆、枝豆、小豆、いんげん豆、納豆など。
- きのこ類:しいたけ、えのきたけ、きくらげ、ぶなしめじなど。
- いも類:さつまいも、こんにゃくなど。
人によっては、不溶性食物繊維の摂りすぎで便秘が悪化する場合があります。
食べ物で改善しない場合は、医療機関を受診して診断や治療を受けましょう。
不飽和脂肪酸を含む食品:植物油、青魚、ナッツ類など
不飽和脂肪酸には、腸のぜん動運動を促す働きがあるといわれています。また、腸内の便の滑りをよくし、排便をスムーズにする働きも期待できます。
不飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のとおりです。
- 植物油:オリーブオイル、えごま油、アマニ油など。
- 青魚:さば、いわし、アジなど。
- ナッツ類:アーモンド、くるみなど。
脂肪酸とは、植物油や動物の脂などの油脂の構成成分です。
常温で固まりやすい飽和脂肪酸(肉類や乳製品に多い)と、固まりにくい不飽和脂肪酸(植物油や魚に多い)があります。
便秘対策としては、適量の不飽和脂肪酸を意識して取り入れるのがおすすめです。
ただし、脂質は高カロリーなので摂りすぎには注意しましょう。
オリゴ糖を含む食品:果物、野菜、ハチミツなど
オリゴ糖は腸内細菌の栄養となって善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあるといわれています。
オリゴ糖を多く含む食品は以下のとおりです。
- 果実類:バナナ、キウイ、りんご、プルーンなど。
- 野菜類:玉ねぎ、ねぎ、ごぼうなど。
- ハチミツ
オリゴ糖は、糖の最小単位である単糖が2〜10個程度結びついたもので、少糖とも呼ばれます。
甘味料として販売されているオリゴ糖を、砂糖の代わりに使うのもおすすめです。
しかし、急に摂取量を増やすとお腹がゆるくなる場合があるため、様子を見ながら徐々に増やしていくとよいでしょう。
発酵食品:漬物、ヨーグルト、納豆など
発酵食品に多いビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は、腸の運動を活発にして便通を整える働きがあるといわれています。
善玉菌を多く含む発酵食品は以下のとおりです。
- 漬物:ぬか漬け、キムチなどの発酵した漬物。
- 乳製品:ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料など。
- 納豆、味噌、塩麹など日本の伝統的な発酵食品。
腸内細菌は、体に有益な働きをする「善玉菌」と、腸内環境の悪化につながる「悪玉菌」、そのどちらでもない「日和見菌」に大別されます。
悪玉菌よりも善玉菌が優勢になると、腸内環境によい影響を与え、健康維持にも役立つと考えられています。
また、発酵食品などに含まれる生きた善玉菌そのものを「プロバイオティクス」、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの成分を「プレバイオティクス」といいます。
腸内環境を整えるには、両方を積極的に取り入れることが大切です。
便秘解消におすすめの飲み物
便秘解消には、水分補給をかねて、食物繊維やオリゴ糖などを含む飲み物を活用するのもおすすめです。
身近なおすすめの飲み物は以下のとおりです。
- スムージー:野菜や果物の食物繊維が豊富。
- オーツミルク:水溶性食物繊維が豊富。
- 甘酒:発酵食品の一種でオリゴ糖が豊富。
果汁を絞るジュースよりも、野菜や果物を丸ごと使うスムージーの方が食物繊維をより多く摂取できます。
お好みの食材とヨーグルトやハチミツ、オリゴ糖などを組み合わせてオリジナルドリンクを作るのもよいでしょう。
食物繊維の摂取目標量と身近な食品の含有量

ここでは、便秘対策に重要な食物繊維の摂取目標量と身近な食品の含有量をまとめました。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の含有量をそれぞれ記載していますので、普段の献立作りの参考にしてみてください。
成人の摂取目標量は1日18g~22g以上
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」による、食物繊維の1日の摂取目標量を示します。
| 年齢(歳) | 男性の目標量(g) | 女性の目標量(g) |
|---|---|---|
| 3~5 | 8以上 | 8以上 |
| 6~7 | 10以上 | 9以上 |
| 8~9 | 11以上 | 11以上 |
| 10~11 | 13以上 | 13以上 |
| 12~14 | 17以上 | 16以上 |
| 15~17 | 19以上 | 18以上 |
| 18~29 | 20以上 | 18以上 |
| 30~64 | 22以上 | 18以上 |
| 65~74 | 21以上 | 18以上 |
| 75以上 | 20以上 | 17以上 |
※妊婦・授乳婦の目標量はいずれも18g以上です。
身近な食品の食物繊維の含有量
以下に、食物繊維の多い食品から比較的少ない食品まで、身近な食品の食物繊維含有量を記載します(可食部100gあたりの含有量)。
| 食品 | 食物繊維総量 (g) | 水溶性食物繊維 (g) | 不溶性食物繊維 (g) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| オクラ | 5.2 | 1.6 | 3.6 | ゆで |
| ごぼう | 6.1 | 2.7 | 3.4 | ゆで |
| ブロッコリー | 4.3 | 1.0 | 3.3 | ゆで |
| にんじん | 2.8 | 0.8 | 2.0 | 皮なし・ゆで |
| キャベツ | 1.8 | 0.4 | 1.4 | 生 |
| レタス | 1.1 | 0.1 | 1.0 | 生 |
| きゅうり | 1.1 | 0.2 | 0.9 | 生 |
| トマト | 1.0 | 0.3 | 0.7 | 生 |
| わかめ | 3.6 | – | – | 生 |
| アボカド | 5.6 | 1.7 | 3.9 | 生 |
| キウイフルーツ | 2.6 | 0.6 | 2.0 | 生 |
| りんご | 1.4 | 0.4 | 1.0 | 皮なし・生 |
| バナナ | 1.1 | 0.1 | 1.0 | 生 |
| 大豆 | 6.6 | 0.9 | 5.8 | ゆで |
| 納豆 | 6.7 | 2.3 | 4.4 | |
| しいたけ | 4.4 | 0.2 | 4.2 | ゆで |
| さつまいも | 3.8 | 1.0 | 2.8 | 皮つき・蒸し |
| 押し麦 | 4.2 | 2.1 | 2.1 | 炊飯後 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
野菜の中には、レタス、きゅうり、トマトなど、必ずしも含有量が多くない食品もあります。
また、食品によっては不溶性食物繊維に偏っている食品もあります。
便秘対策として食物繊維を摂取する際は、特定の食品だけに頼らないようにするとよいでしょう。
なお、食物繊維の摂取バランスは、「不溶性:水溶性 = 2:1」程度が理想的だといわれています。
便秘になりやすい食べ物や食生活

偏った食事や食生活は、便秘をまねくことがあります。
この章では、便秘になりやすい食べ物や食生活を紹介します。
インスタント食品やファストフードの食べすぎ
インスタント食品やファストフードなどに偏った食生活は、便秘をまねくおそれもあります。
手軽に食べられて保存性も高いインスタント食品や、時間をかけずに食事ができるファストフードは、忙しい毎日を助けてくれる心強い存在です。
しかし、これらの食品は食物繊維が少ない傾向にあり、食べすぎると便秘になりやすいため注意が必要です。
忙しいときでも、インスタント食品に野菜サラダをプラスしたり、外食時は野菜の多いメニューを選んだりするなどの工夫で、食物繊維を補うようにしましょう。
脂質の多い肉類などに偏った食事
脂質の多い肉類などに偏った食事が、便秘につながることがあります。
たんぱく質が主成分である肉類は、胃腸で消化・吸収されやすいため、便量が少なくなります。
便の量が少ないと、腸への刺激が弱まって動きが悪くなり、便秘をまねきます。
また、肉類の脂身に多い飽和脂肪酸は、摂りすぎると腸内で悪玉菌を増殖させます。
便秘の改善には善玉菌を増やすことが大切です。
善玉菌のエサとなり、便量を増やす食物繊維やオリゴ糖、発酵食品などをバランスよく取り入れるようにしましょう。
以下はバランスのよい食事にするポイントです。
- 主食を玄米や麦飯、全粒粉のパンや麺類など精白度の低い穀類に替える。
- 野菜、きのこ、海藻などを使った副菜や汁物をつける。
- 不飽和脂肪酸が豊富な魚料理を選ぶ。
便通を整える生活習慣

食べ物だけでなく生活習慣を見直すことでも、便秘の改善が期待できます。
この章では、便秘を改善する生活習慣を紹介します。
朝食を摂る
朝食を摂ることで、排便習慣がつきやすくなります。
食事の総量が少ないと、便量が減少し便秘をまねきます。1日3食の食事を規則正しく摂りましょう。
とくに朝食は、1日のスタートとして大切な食事です。朝食を摂ると胃腸が刺激され、排便を促しやすくします。
朝は余裕をもって食事をし、朝食後にトイレに行く時間を作ると、排便習慣が整いやすくなります。
規則正しい生活
規則正しい生活で自律神経を整えると、便秘を改善しやすくなります。
自律神経には、リラックスしているときに働く副交感神経と、活動時や緊張時に働く交感神経があります。
腸のぜん動運動は、副交感神経が優位のときに活発になり、交感神経が優位のときには停滞します。
不規則な生活でストレスが溜まると、交感神経が優位になり、腸の動きにも影響が出ます。
排便習慣を整えるには、規則正しい生活をしてストレスを溜めないようにすることが大切です。
夜更かしをせず、朝は日光を浴びて体内時計をリセットしましょう。仕事などで忙しいときでも、なるべく睡眠時間を確保し、規則正しい食事を心がけましょう。
適度な運動
便秘の改善には、適度な運動も大切です。
便秘の原因のひとつに、腹筋などの筋力が衰え、便を押し出す力が弱くなることが挙げられます。日頃から体を動かし、筋力維持を心がけましょう。
筋力を維持するためには、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられる全身運動がおすすめです。
水分をこまめにとる
便秘の改善には、こまめな水分補給も大切です。
健康な状態の便には70〜80%の水分が含まれます。摂取する水の量が少ないと便が固くなり、スムーズな排便を妨げます。
厚生労働省では、1日に必要な飲み水の量を1.2Lとしています。
とくに、体の水分が不足している起床時に、コップ一杯の水を飲む習慣をつけましょう。腸が刺激され、排便を促します。
一気に水分をとると、そのまま尿として排出されてしまいます。1日のなかで、少しずつこまめに水を飲むのがポイントです。
まとめ
便秘が気になるときには、食物繊維を豊富に含む、穀類・果物・野菜・海藻類・豆類・きのこ類・いも類などを取り入れた食事がおすすめです。
さらに、不飽和脂肪酸やオリゴ糖を含む食品、発酵食品などを組み合わせるとよいでしょう。
特定の食品をたくさん食べるのではなく、バランスよく組み合わせるのがポイントです。
食生活の見直しとあわせて、朝食を欠かさず摂る、寝る時間と起きる時間を守る、運動をするなどの生活習慣改善にも取り組んでみてください。













