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青汁によく使われ、スーパーフードとも言われるケール。
具体的にどんな栄養があるのか知らない方も多いのではないでしょうか?
ケールの持つ栄養素と働きについて詳しく解説します。
ケールの栄養とその効能
生のケールの葉100gにふくまれる主な栄養素をまとめました。
栄養素 | ケール100gあたりの量 |
---|---|
エネルギー | 26kcal |
たんぱく質 | 2.1g |
脂質 | 0.4g |
炭水化物 | 5.6g |
食物繊維 | 3.7g |
β-カロテン (ビタミンA) | 2900μg |
ビタミンC | 81mg |
α-トコフェロール (ビタミンE) | 2.4mg |
ビタミンK | 210μg |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ナイアシン | 0.9mg |
ビタミンB6 | 0.16mg |
葉酸 | 120μg |
パントテン酸 | 0.31mg |
ビオチン | 4μg |
ナトリウム | 9mg |
カリウム | 420mg |
カルシウム | 220mg |
マグネシウム | 44mg |
リン | 45mg |
鉄 | 0.8mg |
参照:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ビタミンとミネラルが種類・量ともに豊富で、バランスよくふくまれています。
ビタミンの多くは体内で合成できず食事から摂る必要があるため、一度にたくさん摂取できるケールはとても便利な食材といえます。
栄養素の一日の摂取目安量
ケールにふくまれる栄養素の役割と一日あたりの摂取量の目安を見ていきましょう。
一日に必要な栄養素の量は性別や年齢・身体活動レベル・疾患または妊娠の有無などによって変化します。
身体活動レベルとは通勤や家事でどのくらい体を動かすかを3段階に分けたもので、日本人の半数が3段階中まんなかの「普通」に該当します。
この記事では身体活動レベルが普通で、疾患・妊娠・授乳のどれもない、18歳~64歳の成人の数値を紹介しています。
ビタミンA
ケールにふくまれるビタミンAと一日のビタミンAの摂取目安量
ケール100gあたり (レチノール活性当量) | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
240μgRAE | 18歳~29歳 | 850μgRAE | 650μgRAE |
30歳~64歳 | 900μgRAE | 700μgRAE |
ビタミンAの働き
- 角膜や結膜の働きを助け、視覚を正常に保つ
- 皮膚や粘膜を保護し、正常に保つ
- 細胞の成長・分化に関わり、心臓や肺などの器官を正常に保つ
ビタミンAは視覚や免疫・細胞情報伝達などさまざまな働きに関わっています。
不足すると皮膚が乾燥したり、暗いところでものが見えにくくなる夜盲症になったりします。
サプリメントによるビタミンAの過剰摂取は健康を害するリスクがありますが、ケールをはじめ野菜からの摂取では健康被害は報告されていないので、量を気にせず食べることができます。
ビタミンC
ケールにふくまれるビタミンCと一日のビタミンCの摂取目安量
ケール100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
81mg | 18歳~64歳 | 100mg | 100mg |
ビタミンCの働き
- 皮膚や血管・軟骨などを正常に保つためのコラーゲンを合成する
- 免疫細胞や免疫物質の働きを活発にし、ウイルスや病原菌に対する免疫力を高める
- 活性酸素を除去して細胞を保護する
ビタミンCは皮膚や細胞を健康に保つコラーゲンを作るために欠かせないビタミンです。
不足すると疲れやすくなったり貧血を起こしたりし、ビタミンC欠乏が長く続くと壊血病になってしまいます。
摂りすぎたビタミンCは尿と一緒に体外に出ていくため、健康な人ではたくさん摂取しても問題ないとされています。
ビタミンE(α-トコフェロール)
ケールにふくまれるα-トコフェロールと一日のビタミンE(α-トコフェロールのみ)の摂取目安量
ケール100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
2.4mg | 18歳~29歳 | 6.0mg | 5.0mg |
30歳~49歳 | 6.0mg | 5.5mg | |
50歳~64歳 | 7.0mg | 6.0mg |
ビタミンEの働き
- 抗酸化作用により動脈硬化や脳卒中などの生活習慣病を予防する
- 皮膚の新陳代謝を高め、シミの素になるメラニンの排出を促す
- 免疫力を高めてウイルスや細菌から体を守る
人間の体内にある脂質は酸化すると有害物質となって体に悪影響を及ぼしますが、ビタミンEが酸化を防いで健康を保ったり、病気を予防したりしてくれます。
酸化による血管や細胞の老化を防ぐことから、若返りのビタミンとも呼ばれることも。
ビタミンEは通常の食事で不足することはないと考えられており、サプリメント以外の食物からの過剰摂取による健康被害も報告されていません。
ビタミンK
ケールにふくまれるビタミンKと一日のビタミンKの摂取目安量
ケール100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
210μg | 18歳~64歳 | 150µg | 150µg |
ビタミンKの働き
- カルシウムを骨に沈着を促して骨の形成を助ける
- 血液凝固を正常に行い、出血を素早く止める
- 血管にカルシウムが沈着して硬くなってしまう血管の石灰化を抑制する
ビタミンKは骨を作るとともに、骨密度アップを助ける働きがあり、骨折や骨粗しょう症の予防に重要な栄養素。
通常の食事で不足することはあまりないと考えられていますが、不足すると骨が弱くなったり、出血が止まりにくくなったりします。
ビタミンKは熱に強く、油と一緒に摂ると吸収率が良くなるため、炒めて食べるのがおすすめです。
葉酸
ケールにふくまれる葉酸と一日の葉酸の摂取目安量
ケール100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
120μg | 18歳~64歳 | 240μg | 240μg |
葉酸の働き
- 全身に酸素を運ぶ赤血球を産生する
- DNA、RNA、たんぱく質の生合成をうながす
葉酸はビタミンB群を構成する栄養素の一つです。
赤血球や細胞を作る役割があり、胎児の神経管閉鎖障害という先天異常のリスクを下げるために、妊活中・妊娠中の女性へ積極的な摂取が呼びかけられています。
カリウム
ケールにふくまれるカリウムと一日のカリウムの摂取目安量
ケール 100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
420mg | 18歳~64歳 | 3000mg 以上 | 2600mg 以上 |
カリウムの働き
- 体内の浸透圧を調整して一定に保つ
- 体液のpHバランスを保つ
- 体内のナトリウムを排出して高血圧を予防する
ミネラルの一種であるカリウムは、体内にあるさまざまな物質の濃度が偏らないよう浸透圧を調整する働きがあります。
ナトリウム(塩分)の排出を促す作用もあり、塩分の摂取量が増えやすい日本人にとって大事な栄養素です。
カルシウム
ケールにふくまれるカルシウムと一日のカルシウムの摂取目安量
ケール 100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
220mg | 15歳~29歳 | 800mg | 650mg |
30歳~64歳 | 750mg | 650mg |
カルシウムの働き
- 骨や歯を形成する
- 血液の凝固を促して出血を止める
- 心筋の収縮作用を増して、筋肉の興奮性を抑える
カルシウムは骨と歯を作るために欠かせないミネラルで、不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。
カルシウムの摂取量が十分でも、ビタミンDや運動が不足していると充分に骨を作ることができないため、ビタミンDの摂取と軽い運動と合わせて摂取するのがおすすめです。
ケールにはビタミンDがふくまれていないので、ビタミンDが豊富なシイタケや鮭、乾燥イワシなどと合わせて摂取するとよいでしょう。
マグネシウム
ケールにふくまれるマグネシウムと一日のマグネシウムの摂取目安量
ケール100gあたり | 年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
44mg | 18歳~29歳 | 340mg | 270mg |
30歳~64歳 | 370mg | 290mg |
マグネシウムの働き
- 骨を形成する
- 体内の酵素を活性化させてさまざまな代謝を助ける
- 体温と血圧を調整する
マグネシウムには骨を作る、血管を広げて血圧を下げやすくするなどの役割があります。
マグネシウムが不足すると低マグネシウム血症となり、食欲不振や吐き気などの症状が出るほか、骨粗しょう症になるリスクの上昇が指摘されています。
ケールの種類と特徴
ケールは種類ごとに特徴があり、適した食べ方も異なります。
コラードケール
青汁に使われることが多く、日本で流通量の多いケールです。
葉が大きく苦みがあり、炒めるなど加熱調理して食べるのに向いています。
カーリーケール
葉が細かく縮れてヒダのようになっているのが特徴。
味に癖が少ないため、生でも加熱しても食べられます。
ベビーケール
ケールの新芽で、葉が小さく柔らかいです。
苦みが少ないので、生のままサラダにして食べるのがおすすめ。
まとめ
ケールの栄養と栄養素の働きについて解説しました。
ビタミンとミネラルが豊富で、種類によっては生で食べられるほど苦みが少ないケール。
毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。