ごまに多い栄養は?得られる効能・効果的に栄養をとる方法も解説

ごまに多い栄養は?得られる効能・効果的に栄養をとる方法も解説

スーパーフードとして注目されている「ごま」。

栽培の歴史は非常に古く、ナイル川流域では紀元前3000年以前から栽培されていました。

日本でも、縄文後期には伝来しており、奈良時代にはごま油が用いられた記録も残っています。

現代でも、ごまは身近で頼りになる食材のひとつです。料理に風味を与えてくれるだけでなく、小さなひと粒ひと粒の中に、ぎゅっと栄養が詰まっています。

この記事では、ごまの栄養成分、種類や特徴、効果的な食べ方などについて詳しく解説します。

この記事では、便秘解消に効果のある食べ物や、便秘を改善する生活習慣について紹介します。便秘で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

ごまの主な栄養素や機能性成分とその働き

ごまの主な栄養素や機能性成分とその働き

ごまは、とても栄養価が高い食品です。いりごまの主な栄養素の含有量を、下表にまとめます。

栄養素含有量
(100g当たり)
たんぱく質20.3g
脂質54.2g
食物繊維12.6g
ビタミンB10.49mg
ビタミンB60.64mg
ビタミンE
(α-トコフェロール)
0.1mg
カルシウム1200mg
9.9mg
亜鉛5.9mg

引用:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

ごまはスーパーフードともいわれています。

栄養価が高いだけでなく、「ゴマリグナン」などの抗酸化物質も豊富に含まれているためです。

この章では、ごまに含まれる栄養素や、体に役立つ機能性成分について紹介します。

ゴマリグナン

ごまには「ゴマリグナン」と呼ばれる機能性成分が含まれています。ごまの成分として有名な「セサミン」も、ゴマリグナンの一種です。

ポリフェノールの一種でもあるゴマリグナンには、以下のような働きが期待されています。

①抗炎症作用

ゴマグリナンは体内で、炎症性物質の過剰な産生を抑制し、炎症を抑える働きがあることが分かっています。

②肝臓の保護

ゴマリグナンは、肝臓へのさまざまな働きも期待されている物質です。肝臓で脂肪への抗酸化活性を高めたり、アルコールの代謝を改善したりするといった報告があります。

③生活習慣病の予防

ゴマリグナンは抗酸化作用をもち、体内で酸化ストレスを軽減します。

セサミンには、脂肪酸の合成・分解を助けたり、コレステロール値を下げたりする働きも期待され、研究対象となっています。

ごまを食生活に取り入れることで、生活習慣病の予防にも役立つでしょう。

不飽和脂肪酸

ごまには、不飽和脂肪酸である「オレイン酸」と「リノール酸」が豊富です。

どちらも、摂取しても血中コレステロール値を上げにくいとされています。

リノール酸は、体内で合成できない必須脂肪酸でもあり、適量を摂取することで皮膚の健康維持などに役立ちます

また近年では、リノール酸の適度な摂取が、冠動脈疾患の防止につながることが期待されています。

ビタミンB群

ごまからは、体内で代謝を助ける働きがある、ビタミンB群も摂取できます

とくに、ビタミンB1、ビタミンB6、ナイアシンが多く含まれています。

ビタミンB1は、糖質を燃やしてエネルギーに変えるために欠かせません。不足すると、疲労を感じやすくなったりします

ビタミンB6は、皮膚の健康維持に必要で、きれいな肌や髪の維持にも役立ちます。

ナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝や、DNA・脂肪・ステロイドホルモンの合成など、体内のさまざまな生命活動に関わる栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは、肌や血管の老化の原因となる活性酸素の動きを抑えるため、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。

細胞膜や、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制することが知られています。

脂溶性であるビタミンEは、炒めものなどで油脂と一緒に摂取すると、効率よく吸収できる栄養素です。ごまは食材自体に油脂が含まれるため、効果的にビタミンEを摂れます。

カルシウム

ごまは、カルシウムが非常に豊富な食品のひとつです。

カルシウムは、人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯の材料として欠かせません。不足すると、骨が弱くなり、骨粗しょう症を招いたりします。

カルシウムは、骨や歯以外にも分布していて、筋肉や神経の働きを正常に保つうえでも大切なミネラルです。

鉄分

鉄分が足りずに起こる「鉄欠乏性貧血」は、とくに女性に多くみられます。

体内で鉄分の貯蔵がほぼない「かくれ貧血」を含めると、約4割の女性が該当するともいわれています。

貧血からくる疲れやすさ、集中力の低下や免疫機能の低下を防ぐためにも、鉄分豊富なごまがおすすめです。

ごま30gで、一日に必要な鉄のおよそ4分の1を摂取できます。

貧血の改善には、赤血球を作るために必要な、ビタミンB12と葉酸も一緒に摂るとよいでしょう。

ビタミンB12は肉や魚介類などの動物性食品に、葉酸は海藻・野菜などに多く含まれます。

亜鉛

亜鉛は、酵素の構成成分になるミネラルで、活性酸素の除去やDNAの合成など、体内の重要な働きに関わっています。

皮膚の新陳代謝と、髪を構成するケラチンの合成にも、亜鉛は欠かせません。肌のかさつき、皮膚炎、髪のお悩みがある方は、亜鉛が不足している場合があります。

食物繊維

ごまには、便秘の予防に役立つ食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維には、食後の血糖値の上昇を抑える作用もあります。食物繊維が多い食事をとると、栄養素がゆっくりと消化吸収されるため、食後の血糖値が急上昇しにくいのです。

食後の血糖値が安定することで、肥満の予防にもつながります。

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ごまの栄養を効果的にとる方法とおすすめレシピ

ごまの栄養を効果的にとる方法とおすすめレシピ

ごまの栄養を効果的に摂るには「すりごま」がおすすめです。固く厚い皮がすりつぶされ、栄養素を吸収しやすくなっています。

ふりかけたり混ぜたりして手軽に使えるうえに、料理に香りやコクが出ておいしくなります。毎日、大さじ1~2杯分を目安に摂るとよいでしょう。

ここでは、すりごまを使った3つのレシピを紹介します。

ほうれん草のごまあえ

ほうれん草のごまあえ

すりごまを使った副菜の定番レシピです。緑黄色野菜のほうれん草を使うと、さまざまなビタミンやミネラルも補えます

材料(4人前)

  • ほうれん草:1束
  • 塩:適量
  • <A>
    ・すりごま(白):15g
    ・砂糖:小さじ2
    ・しょうゆ:大さじ1

作り方

  1. 鍋に熱湯を沸かして、少量の塩を加えます。ほうれん草の色が鮮やかになるまで短時間茹でたら、すぐに冷水に取って冷まして、水気を絞ります。
  2. 茹でたほうれん草を3~4cmの幅に切ります。
  3. <A>の3つの材料を混ぜ合わせて、あえ衣を作ります。
  4. あえ衣をほうれん草に加え、さっと混ぜたら完成です。

ごまドレッシング

ごまドレッシング

すりごまがあれば、ごまドレッシングも自作できます。混ぜ合わせるだけなので、ごまの摂取方法に迷ったときにもおすすめです。

材料(4人前)

  • ポン酢:大さじ4
  • マヨネーズ:小さじ4
  • すりごま(白):大さじ2
  • ごま(白):大さじ2

作り方

材料すべてを混ぜ合わせるだけで、あっという間に完成です。

ごまがつお

かつおのたたきに、すりごまなどが入ったタレを絡めた一品です。ポン酢を使っているので、さっぱりと食べられます。

材料(4人前)

  • かつおのたたき:300g
  • <A>
    ・すりごま(白):大さじ4
    ・ごま(白):適量
    ・ポン酢:大さじ4
    ・ごま油:大さじ1

作り方

  1. かつおのたたきを、1cmほどの食べやすい厚さに切ります。
  2. <A>の材料をかつおのたたきと混ぜ合わせて、器に盛ったら完成です。

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ごまの特徴や種類

ごまの特徴や種類

ごまは、皮の色によって主に3種類に分けられます。栄養価や成分は、大きくは変わらないものの、わずかな違いもあります。

  • 白ごま
    世界各地で栽培されている、最もポピュラーなごまです。マイルドで香ばしく、やさしい色合いであるため、さまざまな料理に使われています。ごま油の原料としてもよく用いられます。
  • 金ごま
    明るい黄金色の外皮がきれいで、とても香りが高く、コクも豊かなごまです。ごまの中でも、とくに高級品とされます。
  • 黒ごま
    わずかですが、他のごまより抗酸化作用が強いといわれています。苦味があり、香りが強い一方、脂質は少なくあっさりしています。

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まとめ

ごまは栄養価が高い食品です。ビタミン・ミネラル・食物繊維も豊富なため、体調を整えるうえでも役立ちます。

セサミンなどのゴマリグナンを含むことでも注目を集めており、肝臓を守る働きなど、さまざまな効果が期待されています。

一度にたくさん食べられる食品ではないため、1日に大さじ1~2杯分を目安に、継続的に摂取するとよいでしょう。

栄養摂取を重視する場合は、とくにすりごまがおすすめです。

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