ビタミンB6が豊富な食べ物とは?効果や1日の摂取量も解説

ビタミンB6が豊富な食べ物とは?効果や1日の摂取量も解説

ビタミンB6は、水溶性ビタミンであるビタミンB群のひとつです。

ビタミンB群は体内のさまざまな代謝に関わる重要な栄養素であり、ビタミンB6にも、たんぱく質の代謝を助けたりする働きがあります。

この記事では、ビタミンB6を多く含む食べ物を紹介し、その効果や1日の摂取量を解説します。

この記事では、ビタミンB群に属する8種類の栄養素について、体内での主な働きと、含有量の多い食べ物を紹介します。

ビタミンB6を多く含む動物性の食べ物

ビタミンB6を多く含む動物性の食べ物

この章では、ビタミンB6が多く含まれる肉類と魚介類を紹介します。

なお本記事では、食品の栄養価を日本食品標準成分表2020年版(八訂)より引用しています。

肉類

ビタミンB6は、脂質の少ない肉類に多く含まれます。

下表に食品100gあたりのビタミンB6の含有量をまとめます。

また、1食分の目安量と、目安量あたりのビタミンB6含有量も示します。

食品名加工状態など1食分の
目安量(g)
ビタミンB6の含有量(mg)
目安量あたり100gあたり
牛ヒレ肉1000.390.39
牛レバー800.710.89
豚ヒレ肉1000.540.54
豚レバー800.460.57
鶏ささみ1000.620.62
鶏むね肉皮なし・生1000.640.64
鶏レバー800.520.65

ビタミンB6は、牛レバーにとくに多く含まれます。

また内臓肉以外では、脂の少ない赤身の肉に豊富に含まれます。レバーが苦手な人は、豚ヒレ肉や鶏むね肉などを意識して摂るとよいでしょう。

魚介類

ビタミンB6は、かつおやまぐろなどに多く含まれます。

下表に食品100gあたりのビタミンB6の含有量をまとめます。

また、1食分の目安量と、目安量あたりのビタミンB6含有量も示します。

食品名加工状態など1食分の
目安量(g)
ビタミンB6の含有量(mg)
目安量あたり100gあたり
びんながまぐろ1000.940.94
かつお1000.760.76
加熱用・生1000.640.64
サーモン刺身用・生1000.490.49
まさば1000.590.59
さんま1000.540.54

ビタミンB6は調理による損失が大きいので、刺身で食べられるまぐろやかつおは効率よく摂取できます。

表中で最も含有量の多い「びんながまぐろ」は、「びんちょうまぐろ」とも呼ばれ、安価で手に入りやすい食材です。

また、鮭は加熱調理が必要なため、刺身で食べられるサーモンの値も記載しています。

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ビタミンB6を多く含む植物性の食べ物

ビタミンB6を多く含む植物性の食べ物

ビタミンB6は野菜や穀物にも含まれますが、水に溶け出しやすく熱や光に弱いため、調理法に工夫が必要です。

この章では、ビタミンB6を多く含む植物性の食べ物と、摂取の際の注意点などを紹介します。

野菜類・果物類

バナナやブロッコリー、赤パプリカにはビタミンB6が多く含まれます。

下表に食品100gあたりのビタミンB6の含有量をまとめます。

また、1食分の目安量と、目安量あたりのビタミンB6含有量も示します。

食品名加工状態など1食分の
目安量
ビタミンB6の含有量(mg)
目安量あたり100gあたり
バナナ1本・90g0.340.38
ブロッコリー5房・100g0.300.30
赤パプリカ1/2個・70g0.260.37
にんにく1片・15g0.231.53
ししとう6本・40g0.160.39
あさつき1/2束・10g0.040.36

ビタミンB6は水溶性ビタミンであり、水に溶け出しやすい性質があるため、ゆでると損失が大きくなります。

野菜の調理には、電子レンジ加熱や、蒸す、焼く、炒めるなどの加熱方法がおすすめです。

穀類・いも類・豆類・種実類

玄米やさつまいもには、ビタミンB6が豊富に含まれます。

下表に食品100gあたりのビタミンB6の含有量をまとめます。

また、1食分の目安量と、目安量あたりのビタミンB6含有量も示します。

食品名加工状態など1食分の
目安量
ビタミンB6の含有量(mg)
目安量あたり100gあたり
玄米炊飯後茶碗1杯・150g0.320.21
さつまいも焼き1/2本・100g0.330.33
干しいも中2枚・60g0.250.41
じゃがいも皮なし・蒸し1個・100g0.220.22
ピスタチオ殻なし20粒・15g0.181.22
黄大豆いり大豆50粒・20g0.080.39
ごまいりごま大さじ1・10g0.060.64

さつまいもにはビタミンB6が豊富に含まれますが、糖質も多いため、食べすぎには注意が必要です。

また、ピスタチオをはじめ、くるみやピーナッツなどのナッツ類もビタミンB6が豊富です。

しかしナッツ類は脂質が多く、市販品は塩分も多いため、食べすぎないようにしましょう。

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ビタミンB6の主な効果

ビタミンB6の主な効果

ビタミンB6は、体内の代謝に必要な酵素の働きを補う「補酵素」としての役割があります。

この章では、ビタミンB6の主な効果について解説します。

たんぱく質・アミノ酸の代謝を助ける

ビタミンB6は、たんぱく質やアミノ酸の代謝を助ける働きをします。

食事から摂ったたんぱく質は、アミノ酸へと消化・吸収されたあと、一部が体内でたんぱく質に再合成され、筋肉や骨、皮膚、毛髪などを作ります。

ビタミンB6は、こうしたアミノ酸の代謝に必要な酵素の働きを助ける「補酵素」となります。

食事からたんぱく質を十分に摂っていても、ビタミンB6が足りなければ、筋肉などの形成がうまくいきません。

筋力トレーニングなどでたんぱく質を多く摂取する場合は、併せてビタミンB6の摂取量も増やすことが大切です。

免疫機能を正常に維持する

ビタミンB6は、免疫機能を正常に維持するための重要な栄養素です。

ウイルスや細菌などから身を守るための防御システムを免疫といい、免疫細胞が大きな役割を担っています。

免疫細胞の主な材料はたんぱく質です。たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6の十分な摂取は、免疫細胞の産生にも欠かせません。

普段の食事から、たんぱく質とともにビタミンB6をきちんと摂取し、免疫機能を正常に保つようにしましょう。

また、ビタミンB6の摂取は、皮膚や粘膜の健康維持にも関わっているため、細菌やウイルスの侵入を防ぐことにもつながります。

肌荒れや口内炎・口角炎を防ぐ

ビタミンB6には、肌荒れや口内炎・口角炎を防ぐ効果もあります。

先述のとおり、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わり、健康な皮膚や粘膜の形成を助けます。

ビタミンB6の十分な摂取により、皮膚や粘膜のターンオーバーが促進され、肌や口腔内の健康が保てるのです。

口内炎は、口の中を噛んでしまうなど傷ができることでも発症します。ビタミンB6は免疫機能を正常に保つ働きもあるので、十分な摂取で傷の悪化を防ぎ、症状を最小限にできます。

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ビタミンB6の必要量と過不足への影響

ビタミンB6の必要量と過不足への影響

ここからは、ビタミンB6の1日に必要な摂取量と、不足した場合や過剰に摂取した場合の体への影響を解説します。

ビタミンB6の1日に必要な摂取量

日本人の食事摂取基準(2020版)によると、ビタミンB6の1日に必要な摂取量は、成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgです。

下表に、日本人のビタミンB6推奨量(mg/日)と耐容上限量(mg/日)を示します。

なお「推奨量」とは、該当する性・年齢に属する人々のほとんど(97〜98%)が1日の必要量を満たすと推定されている摂取量です。

またビタミンB6は、サプリメントなどの大量摂取により健康障害が報告されていることから、耐容上限量(健康障害を起こさないとされている最大限の量)が設定されています。

ビタミンB6の食事摂取基準(mg/日)
性別男性女性
年齢等推奨量耐容上限量推奨量耐容上限量
18~29(歳)1.4551.145
30~49(歳)1.4601.145
50~64(歳)1.4551.145
65~74(歳)1.4501.140
75以上(歳)1.4501.140
妊婦(付加量)+ 0.2
授乳婦(付加量)+ 0.3

日本人の食事摂取基準(2020版)より作成

たとえば成人男性では、玄米ご飯3杯と鶏むね肉100gを食べれば、1日の推奨量を満たせます。

肉や魚、穀物や野菜など、さまざまな食品を組み合わせて、ビタミンB6を食事に取り入れましょう。

ビタミンB6が不足するとどうなる?

ビタミンB6が不足すると、かゆみを伴う発疹(皮膚炎)、口内炎や口角炎、舌炎、貧血、などを引き起こします。

極度に不足(欠乏)すると、免疫機能の低下、抑うつ、錯乱、けいれん発作などを引き起こす可能性もあります。

ビタミンB6は、食事からの摂取不足が起こることは、ほとんどありません。

ただし、極端な食事制限を行った場合などには、他のビタミンB群と同時に不足することもあります。

普段から健康的な食事を行い、ビタミンをはじめとする栄養素を補うことが大切です。

ビタミンB6を過剰摂取するとどうなる?

ビタミンB6を過剰に摂取すると、神経障害を起こすことがあります。

手足に痛みやしびれが生じ、歩行が困難になったり、動作の制御を失ったりします。

また、皮膚が痛みを伴って赤くなる皮膚病変、嘔吐や下痢、筋委縮などを引き起こす場合もあります。

通常の食事からビタミンB6を摂りすぎることはほぼありませんが、サプリメントでの過剰摂取には注意が必要です。

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