目次
イカには豊富な栄養が含まれており、健康にいい食品として知られています。
この記事では、イカに含まれる主要な栄養成分とその効果・効能のほか、健康的なレシピも紹介します。
イカに含まれる栄養成分と効果・効能
イカは、その柔らかな身に多くの栄養を秘めています。
それぞれの成分が持つ栄養成分と効果を知り、イカを美味しくいただきましょう。
たんぱく質
イカは、たんぱく質を多く含んでいるので、私たちの健康にも役立つ食べ物です。
たんぱく質は、人間の体内で最も重要な構成要素のひとつであり、筋肉の成長、修復や維持に必要不可欠です。
また、たんぱく質は免疫系の機能をサポートし、ホルモンや酵素の生産にも関与しています。
イカ100g中には、約17.9gの高品質なたんぱく質が含まれており、これは私たちの日々の栄養摂取目標に大きく役立つ量です。
この豊富なたんぱく質は、健康的な生活を送る上での基盤を形成し、体の各システムの正常な機能を支える役割を果たしています。
亜鉛
亜鉛は、私たちの体内で多くの重要な役割を担っているミネラルの一つです。
イカに含まれる亜鉛は、100gあたり1.5mgという量で、これは成人男性の1日の推奨摂取量の約13%に相当します。
亜鉛は、体内でのタンパク質の合成を助け、健康な皮膚と髪の維持にも役立ちます。
また、味覚の維持や免疫系の機能をサポートし、風邪や感染症からの回復を促進する効果も知られており、イカを食べることで、これらの重要な機能をサポートする亜鉛を効率的に摂取することができるのです。
コレステロール
コレステロールは、生体内で重要な役割を果たす物質であり、特にホルモンの合成には欠かせません。
一方で、イカはコレステロールを多く含むため、脂質異常症のリスクを高めるとされていましたが、イカに含まれるタウリンはコレステロールの代謝を助ける働きがあることがわかっています。
適切な量であれば健康的な食事に組み入れることが推奨されているのです。
タウリン
タウリンは、疲労回復やコレステロールの低下に効果的なアミノ酸であり、体内で胆汁酸と結合して排泄を促す役割を担っています。
このプロセスにより、コレステロールの代謝が活性化され、体内のコレステロールレベルが調整されるのです。
また、食物繊維の摂取も胆汁酸の分泌を促し同様の効果が期待できるため、タウリンと食物繊維をバランス良く摂取することが、健康維持において有効です。
プリン体
プリン体は、適切な量で摂取することで健康に利益をもたらすことがありますが、過剰に摂取すると痛風のリスクを増加させる可能性があることが知られています。
イカはプリン体を豊富に含む食品であるため、摂取量には特に注意が必要です。
プリン体は通常、肝臓で代謝されて尿酸に変換され、その後尿として体外に排出されます。
しかし、尿酸が過剰に生成されると血液中に蓄積し、結晶として関節に沈着することで痛風を引き起こす原因となるのです。
ビタミンE
ビタミンEは、その強力な抗酸化作用により細胞の酸化ストレスから保護し、老化の進行を遅らせる効果があります。
また、心臓病や脳梗塞などの循環器系の疾患の予防にも役立ちます。
ビタミンEを含む食品を定期的に摂取することで、若々しい肌を保ち、健康的な生活を送るための基盤を築くことができるのです。
DHA・EPA
DHAとEPAは、オメガ3脂肪酸の一種であり、心血管系の健康を促進し脳の機能を向上させることが知られています。
DHAとEPAは、血液中のトリグリセライドのレベルを下げることで知られており、心臓の健康を守るだけでなく、認知機能の維持や向上にも役立つのです。
これらの脂肪酸は、特に海産物に多く含まれており、イカを食事に取り入れることで、これらの重要な栄養素を効果的に摂取することができます。
イカは種類や調理によって栄養が違う?
イカの栄養価は、種類や調理法によって変化しますが、どの方法を選んでも栄養が豊富であり美味しく食べることができるのは間違いありません。
ここでは、イカの種類による栄養素の違いや、調理法による栄養素の変化についてバラエティ豊かなイカの調理法や、その栄養について紹介します。
イカの種類による違い
スルメイカ
スルメイカは、そのアミノ酸スコアが完璧な100という驚異の数値を持ち、たんぱく質の宝庫として知られています。
このたんぱく質の豊富さは、筋肉の成長を促して体の修復を加速させるなど、私たちの健康にとって計り知れない恩恵をもたらします。
ホタルイカ
星空のように輝くホタルイカは、そのまま食べることでビタミンAやE、鉄分を豊富に摂取できます。
これらの栄養素が肌の輝きを保ち、免疫力を鍛え上げて貧血の予防にもひと役買います。
ヤリイカ
ヤリイカは、スルメイカに劣らずたんぱく質が豊富でありながら、脂肪は控えめで健康志向の食生活にぴったりです。
美しい体形の維持や筋力の向上に、その力を発揮します。
調理法によるイカの栄養変化
生食
イカを生で頂くことで、タウリンをはじめとする貴重な栄養素が逃げることなく体内に吸収されます。
お刺身は私たちにとってなじみのある調理法ですが、心臓の健康を守り、日々の疲れを癒す効果が期待できます。
ボイル
イカを優しく茹で上げると、水分は軽やかに減少しますが、その栄養価はほぼ完全に保たれます。
たんぱく質やミネラルが凝縮されたボイルイカは、冷たい料理やサラダに加えることで、食卓に栄養と彩りをもたらします。
焼き
焼きイカは、外はとても香ばしく、中はふっくらとした食感を楽しませてくれます。
この調理法は、タウリンを含む栄養素を上手に閉じ込め、不要な脂肪はそぎ落として健康を考えた美食のひとつとなります。
焼きイカの香りはとても食欲をそそり、イカ本来の味わいを堪能できる調理法です。
イカは食べ過ぎると健康に悪い?1日の摂取量は?
イカはその食感と独特の風味で、多くの食卓を彩る人気の高い食材です。
とはいえ、イカを食べすぎることで思いがけず健康を損なう可能性があります。
以下では、イカに含まれる3つの成分と、体に与える影響について紹介します。
プリン体と痛風
イカに含まれるプリン体は、体内で尿酸へと変わり、痛風をまねくことがあります。
プリン体の摂取は日々の食事で400mgを超えないよう心がけ、イカの摂取量は1日100gから200gを目安にすることで、痛風のリスクを抑えることができます。
コレステロールと心血管
イカはコレステロールを豊富に含んでおり、その過剰な摂取は血中コレステロール値の上昇を招きます。
特に心血管系の健康を気遣う方は、1日のコレステロール摂取量を200mg以下に留めることが肝心です。
イカ(生)に含まれる100gあたりのコレステロール量
- スルメイカ 250 mg
- ホタルイカ 240 mg
- ヤリイカ 320 mg
- コウイカ 210 mg
- 剣先イカ 350 mg
塩分と高血圧
イカには自然に塩分が含まれており、100gあたりの塩分は0.4~0.7gですが、加工品ではその量がさらに増えます。
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こす原因となるため、1日の塩分摂取量は8g以下に抑えることが推奨されています。
新鮮なイカを選び、調理時には塩分を控えめにすることで、高血圧のリスクを減らしましょう。
消化の難しさ
イカは通常、消化に優れた食材とされていますが、スルメのような乾燥イカは消化が難しく腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
体臭への影響
イカを大量に摂取すると、体内で分解されないトリメチルアミンが体臭を強くすることがあります。
魚介類に多く含まれるこの物質は、食べ過ぎると体臭の原因となるのです。
イカを使った美味しいレシピ4選
イカはその栄養価の高さだけでなく、手に入りやすいことや、柔らかくて美味しい食材としても人気があります。
ここでは、簡単で健康的なイカのレシピをいくつか紹介します。
イカのガーリックソテー
材料
- イカ(胴体):1杯
- にんにく:2片
- オリーブオイル:大さじ2
- 醤油:小さじ1
- レモン汁:小さじ1
- 塩:少々
- 黒こしょう:少々
- パセリ(みじん切り):適量
作り方
- イカは胴体を輪切りにし、足は適当な長さに切る
- にんにくはみじん切りにする
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火でゆっくりと香りが出るまで炒める
- 香りが出たらイカを加え、中火でさっと炒める
- イカが透明から白っぽく変わったら、醤油、レモン汁、塩、黒こしょうを加えてさらに炒め合わせる
- 火から下ろし、パセリを散らして完成
イカとアスパラのガーリック炒め
材料
- イカ(胴体):1杯
- アスパラガス:5本
- にんにく:2片
- オリーブオイル:大さじ2
- 醤油:小さじ2
- 塩:少々
- 黒こしょう:少々
作り方
- イカは胴体を輪切りにし、足は適当な長さに切る
- アスパラガスは根元を切り落とし、斜めに切る
- にんにくはスライスする
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、中火で炒める
- にんにくが色づいたら、イカとアスパラガスを加えて炒める
- イカが白くなったら、醤油、塩、黒こしょうで味をととのえて完成
イカのトマト煮込み
材料
- イカ(胴体):1杯
- トマト:2個
- 玉ねぎ:1/2個
- オリーブオイル:大さじ1
- 白ワイン:50ml
- 塩:少々
- 黒こしょう:少々
- ローリエ:1枚
作り方
- イカは胴体をひと口大に切る
- トマトはざく切りにし、玉ねぎはスライスする
- 鍋にオリーブオイルを熱し、玉ねぎを炒める
- 玉ねぎが透き通ったら、イカとトマトを加える
- 白ワイン、塩、黒こしょう、ローリエを加えて煮込んで完成
イカの柚子胡椒マリネ
材料
- イカ(胴体):1杯
- 柚子胡椒:小さじ1
- オリーブオイル:大さじ2
- 醤油:小さじ1
- レモン汁:小さじ1
作り方
- イカは胴体を輪切りにし、足は適当な長さに切る
- ボウルに柚子胡椒、オリーブオイル、醤油、レモン汁を混ぜ合わせる
- イカを2のマリネ液に漬け込み、冷蔵庫で30分程度置く
- 器に盛り付け、お好みで新鮮なハーブを添えて完成
まとめ
イカはその豊富な栄養で私たちの食生活に彩りを加えますが、過剰摂取は健康リスクを招くことがあります。
プリン体やコレステロール、塩分の摂取量に注意し、1日100g程度を目安に摂ることでイカの栄養をバランス良く摂取できます。
こうした適量を心がけながら、イカの栄養を健康的に取り入れて食事を楽しんでください。