いちじくには年に2回の旬があり、初夏から秋に出回ります。上品な甘味がありとろっとしていて、ぷちぷちとした食感も魅力の果物です。
手で皮をむけるので、食べ方も簡単で気軽に食べられます。
しかし、鮮度が落ちやすいため、おいしいうちに食べることが大切です。
この記事では、いちじくの基本的な食べ方を中心に、保存方法や食べるときの注意点、いちじくの甘味が弱いときや硬いときのおいしい食べ方、乾燥いちじくの活用法まで解説します。
いちじくの基本的な食べ方
まずは、生のいちじくの基本的な食べ方を解説します。
いちじくの皮は、手でむく方法と包丁を使ってむく方法があります。
熟したいちじくは簡単に手で皮をむくことができますが、やや未熟だとむきにくいときもあります。
皮が硬いなど手でむきづらいときや、見栄え良く仕上げたいときには、包丁を使うときれいにむけるでしょう。
いちじくの食べ方①手で皮をむく方法
- いちじくを洗う。
- ヘタの部分を片手で持ち、実を支えながら、ヘタの曲がっている方向の反対側に向かって折る。
- ヘタをゆっくりと下に引っ張り皮をむく。
- 同じ要領で全ての皮をむく。
実が皮に付いて取れないように、ゆっくりと丁寧にむくのがコツです。
お尻の部分など、皮がむききれない部分は、包丁を使ってそぐようにむくとよいでしょう。
そのまま食べるか、くし切りに切って盛り付けます。
いちじくの食べ方②包丁で皮をむく方法
- いちじくを洗う。
- 包丁でヘタを付け根から切り落とす。
- 皮ごとくし切りにする。
- カットしたいちじくのヘタの方の端から、丁寧に包丁を使って皮をむく。
くし切りは、4等分などの食べやすいサイズにカットしましょう。
いちじくをフォークで食べたいときにもおすすめのむき方です。
いちじくは皮ごと食べられる?
基本的に、いちじくは皮ごと食べられます。しかし、未熟だと皮が硬いことがあるため、皮ごと食べるなら完熟したいちじくを選ぶのがおすすめです。
また、いちじくの皮には細かい毛が生えていて、食感が気になるときがあります。細かい毛が気になるときは、皮をむくか、皮の表面を塩でこすって洗い流して食べるとよいでしょう。
いちじくには、白いちじくのように皮が薄い品種もあるため、皮ごと食べてもおいしい品種を選ぶのもポイントです。
皮は食べられるものの、ヘタは食べられないため、皮ごと食べるときにもヘタは落としましょう。
いちじくの食べ頃と保存方法
いちじくは傷みやすいため、購入したらなるべく早く食べるようにしましょう。
すぐに食べないときには、冷蔵か冷凍保存がおすすめです。
この章では、いちじくの食べ頃を解説し、すぐに食べないときの保存方法も紹介します。
生のいちじくの食べ頃
いちじくは追熟しにくい果物のため、基本的には購入したら新鮮なうちに食べるのがベストです。
食べ頃のいちじくを見分けて購入するのが一番ですが、多少は未熟でも、少しの期間なら食べ頃を待つこともできます。
一般的ないちじくの食べ頃のサイン
- 全体的に赤紫色になり、ヘタの近くまで赤くなっている。
- ヘタの反対側のおしりの部分が開きかけている。
- 持ったときに重量感がある。
- 皮に適度なハリがあり、軽く押したときにやわらかい。
- いちじくから甘い香りを感じられる。
いちじくには、熟しても赤紫色にならず、緑色のままの品種もあります。売られている品種の食べ頃のサインを知っておくと、購入の際にも役立つでしょう。
購入後あと少しで完熟になりそうなときには、1〜2日くらいは常温で食べ頃になるのを待つことも可能です。
しかし、高温多湿な時期が旬のため、保存状態はこまめにチェックし、傷まないうちに食べましょう。
冷蔵庫で保存【数日で食べ切るとき】
数日で食べ切れそうなときには、冷蔵庫で保存しておき、冷えたいちじくを食べるのもよいでしょう。
いちじくの冷蔵保存の手順
- いちじくが傷んでいないか確かめる。
- いちじくをキッチンペーパーで一つずつ包む。
- ポリ袋に入れて袋の口を閉じるか、保存容器に入れる。
- 冷蔵室に入れ、2~3日以内に食べ切る。
いちじくは、保存する前ではなく、食べる前に洗いましょう。
冷凍庫で保存【すぐに食べきれないとき】
たくさんあって一度に食べ切れないときには、早めに冷凍保存するのがおすすめです。
いちじくの冷凍保存の手順
- いちじくを洗い、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る。
- ラップで一つずつ包み、冷凍用の保存袋に入れる。
- 冷凍室で保存し、約1か月以内に食べ切る。
いちじくは、皮ごと冷凍するほかに、皮をむいた状態やカットした状態でラップに包み、保存袋で冷凍することもできます。
皮ごと冷凍した場合は、凍ったいちじくのお尻部分に包丁で切れ目を入れてから、流水を当てると皮がむきやすいです。
冷凍いちじくの食べ方
冷凍したいちじくは、5分ほど置いて半解凍の状態で食べるのがおすすめです。
完全に解凍させると、とろっとしたコンポート(果物の砂糖煮)のような食感になるため、お好みの食べ方でいただきましょう。
いちじくを食べるときの注意点
いちじくは、食物繊維やミネラルなどが多く含まれた栄養豊富な果物ですが、これらの栄養素の摂り過ぎによるデメリットもあるため、食べ過ぎに注意が促されています。
一度にたくさん食べるのは避けて、体調や体質に合わせて食べるようにしましょう。
腹痛や下痢を引き起こすことがある
いちじくには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、適度な摂取量なら便秘や腸内環境の改善などに効果的ですが、摂り過ぎてしまうと腹痛や下痢などの原因になるため注意が必要です。
胃腸が弱い方はとくに注意して、様子を見ながら食べる量を調整するとよいでしょう。
カロリーと糖質の摂り過ぎに注意
平均的な大きさのいちじくは、1個あたり約70gで、このうち可食部は約60gです。
可食部が約60gのいちじくは、カロリーが約34kcal、糖質が約7.5gとなります。
カロリーや糖質の制限をしているときには、いちじくを食べる量に注意しましょう。
とくに、乾燥いちじくはサイズが小ぶりになって食べやすいため、食べ過ぎに注意が必要です。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を元に計算
いちじくの1日の摂取目安量
いちじくの食べ過ぎは体調に影響を及ぼすこともあるため、適度な量を食べるように心掛けましょう。
生のいちじくも乾燥いちじくも、一般的には1〜3個が目安ですが、自身の体調や体質にあわせて食べる量を調整するのがおすすめです。
酵素の働きが刺激になることがある
いちじくには「フィシン」という酵素が含まれており、たんぱく質の消化吸収を助ける働きなどがあります。
しかし、この酵素が手に付いたときや、食べたときなどに、手や口の中にかゆみや刺激を感じることがあります。敏感な方は気を付けて食べてください。
いちじくをもっとおいしくする食べ方アレンジ
そのまま食べてもおいしいいちじくですが、味に飽きてしまったときには少し手を加えてみましょう。
生のいちじくが甘くないときや食感が硬いときにも、調理の仕方次第でおいしくいただけます。
生のいちじくをそのまま使うアレンジレシピ
チーズや生ハム、ナッツなどは、いちじくと相性の良い素材で、中でもチーズとの相性は抜群です。
いちじくとブルーチーズの盛り合わせ
生のいちじくを適当な大きさに切り、お好みの種類のブルーチーズとお皿に盛り合わせましょう。
くるみを添えると、ナッツの香ばしさも加わり、さらに味わいが深まります。
お好みで、メープルシロップやはちみつなどをかけて、塩こしょうなどで味を整えれば完成です。
トーストに乗せたり、葉物野菜とあわせてサラダにしたりしてもよいでしょう。
いちじくとクリームチーズの生ハム巻き
生ハムにクリームチーズを塗り、くし切りにしたいちじくを乗せて巻いたら完成です。
ルッコラを一緒に巻いてもよいでしょう。
お好みで黒こしょうを振ったり、オリーブオイルをかけたりしていただきます。
いちじくが甘くない・硬い!おいしい食べ方は?
いちじくが甘くないときには、砂糖などを加えて甘くするレシピか、さっぱりといただくサラダなどのレシピがおすすめです。
食感は良いものの甘味が弱いときは、塩味などのシンプルな味付けのサラダにして、おかずとして食べるとよいでしょう。
いちじくが未熟で硬いときには、加熱するレシピがおすすめです。
いちじくのコンポート(砂糖煮)やジャム、甘露煮などにすると、砂糖などで甘味も調整できるため、お好みの味わいに仕上げられます。
また、いちじくをバターでソテーするのもおいしい食べ方です。
便利で食べやすい乾燥いちじくの活用法
乾燥いちじく(ドライいちじく)は、そのまますぐに食べられるため、皮をむく手間もなく便利です。
適当な大きさに切って、サラダやヨーグルトなどに入れるのもよいでしょう。
水分が抜けているため、クッキーやケーキなどの焼き菓子や、パン生地にも入れやすいのが特徴です。
まとめ
いちじくは1個食べるだけでも、食べ応えがあり満足できるリッチな果物です。
クリームチーズやナッツなどとあわせれば、おしゃれな前菜やおつまみにもなり、おもてなしレシピとしても活躍してくれます。
未熟ないちじくに出会ってしまっても、アレンジレシピを駆使すれば、おいしく消費できるでしょう。
フレッシュないちじくを手に入れたときには、保存方法を工夫して、おいしいうちにお召し上がりください。