菊芋の効能を解説!血糖値の上昇抑制や腸内環境の改善にも効果的

菊芋の効能を解説!食べる際の注意点やおすすめレシピも紹介

菊芋は、糖質の吸収を穏やかにする水溶性食物繊維の「イヌリン」や、ミネラルの一種である「カリウム」などの栄養素を豊富に含む食材です。

とくにイヌリンの含有量は全植物の中でもトップクラスで、血糖値の上昇抑制や腸内環境の改善など幅広い効能があることから、近年ではスーパーフードとしても注目を集めています。

この記事では、菊芋の栄養素がもたらす効能について詳しく解説します。

さらに、効果的な食べ方や保存方法、注意点もまとめます。

この記事では、LDLコレステロールを下げる効果が期待できる食べ物と、食事改善のポイントを紹介します。ぜひ、毎日の食生活に役立ててみてください。

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菊芋の栄養素がもたらす効能

菊芋の栄養素がもたらす効能

菊芋の代表的な栄養素は、イヌリンとカリウムの2種類で、血糖値の上昇抑制・腸内環境の改善・免疫力の強化・むくみの解消など、さまざまな効能が期待できます。

菊芋は生姜のような見た目ですが、ほんのりと甘い味でクセがなく、同じキク科の植物であるゴボウのような風味が特徴です。

生で食べるとシャキシャキとした食感、加熱するとホクホクとした食感が楽しめ、サラダ・スープ・煮物など幅広い料理に使えます。

菊芋100g当たりの主な栄養素の含有量やカロリーを表に示します。

栄養素など菊芋100g当たりの含有量
カロリー(kcal)66
たんぱく質(g)1.9
脂質(g)0.4
糖質(g)12.8
食物繊維(g)1.9
カリウム(mg)610
銅(mg)0.17
ビタミンB6(mg)0.09
葉酸(μg)20

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

続いて、菊芋の効能を詳しく解説します。

食後血糖値の上昇抑制

菊芋は、糖質の吸収を緩やかにする水溶性食物繊維「イヌリン」が豊富で、食後血糖値の上昇抑制に効果が期待できます。

糖質の摂り過ぎなどにより食後血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌されます。

インスリンの分泌が過剰な状態が続くと、膵臓すいぞうに負担がかかり、やがてインスリンが正常に分泌できなくなる糖尿病のリスクが高まります。

イヌリンが豊富な菊芋を取り入れることで、血糖値の急上昇を抑えてインスリンの分泌を穏やかに保ち、糖尿病のリスクを減らす効果が期待できます。

腸内環境の改善

菊芋に含まれるイヌリンは、腸内環境の改善に役立ちます。

イヌリンは、腸内の善玉菌のエサになりやすい水溶性食物繊維であるためです。

菊芋からイヌリンを摂取し、腸内で善玉菌が増えると、以下のようなさまざまな効果が期待できます。

  • 悪玉菌の増殖を抑える
  • 善玉菌による一部のビタミンの産生を増やす
  • 腸のぜん動運動を促して便秘を防ぐ

さらに、イヌリンは善玉菌を増やすだけでなく、水分を吸収して便をやわらかくし、便通を促す働きもあります。

免疫力の強化

菊芋を食べると、免疫力を維持・強化する働きも期待できます。これは、先述したイヌリンによる腸内環境の改善に伴う効果です。

腸は免疫に深く関わっている臓器で、免疫細胞も多くが腸に存在します。

腸内環境が整っていると免疫細胞が活性化され、細菌・ウイルスなどの病原体や老廃物の除去が効果的に行われるのです。

このように、菊芋を食べて腸内環境の改善に役立てることで、免疫細胞の働きを活性化させ、体を異物から守る働きを高めることが期待できます。

基礎代謝の向上

菊芋の摂取は、基礎代謝の向上につながると考えられています。

菊芋に含まれるイヌリンは腸内で善玉菌の一種であるビフィズス菌のエサとなり、増殖したビフィズス菌は短鎖たんさ脂肪酸(酪酸らくさん酢酸さくさん・プロピオン酸など)を生成します。

なかでも酪酸は交感神経に働きかけ、心拍数や体温を上昇させることで、基礎代謝を高めます。

基礎代謝が高まると日々の消費エネルギー量が増えるため、ダイエット効果も期待できます。

脂肪蓄積の抑制

菊芋の摂取により、体脂肪の蓄積を抑える効果も期待できます。

これは、イヌリンにより増殖したビフィズス菌が作る短鎖脂肪酸の持つ働きです。

とくに、酢酸には脂肪細胞にエネルギーが取り込まれるのを抑える作用があるため、菊芋の摂取は肥満の予防に役立つと考えられます。

コレステロール値の低下

菊芋は、豊富に含まれる水溶性食物繊維や、腸内で作られる短鎖脂肪酸の作用により、コレステロール値の低下が期待できる食品です。

とくに水溶性食物繊維は、脂質の吸収に関わっている「胆汁たんじゅう酸」の排出を促進する働きがあります。

胆汁酸は通常、消化管内に分泌されて消化吸収を助けた後、腸で大部分が回収され再利用されます。

しかし、菊芋の水溶性食物繊維により胆汁酸が体外へ多く排出されると、血液中のコレステロールをもとにした胆汁酸の合成が増えるため、コレステロール値が低下するのです。

また、短鎖脂肪酸は、肝臓でのコレステロール合成に関わる酵素の働きを阻害する作用も持っています。

高血圧の改善

菊芋に含まれるカリウムは、高血圧の改善に有効です。

高血圧は、塩分の過剰摂取により体内に水分がたまり、増加した血液が血管を圧迫することが一因です。

カリウムはミネラルの一種であり、体内の余分な塩分を排出する作用があります。

カリウムが豊富な菊芋を食べると、不要な塩分が排出され、高めの血圧を下げる働きが期待できます。

むくみの解消

菊芋に豊富なカリウムは、体のむくみの解消や予防にも役立ちます。

体にむくみが生じるのは、塩分の摂り過ぎなどにより、体の細胞間に水分がたまるためです。

菊芋を食べてカリウムを摂取すると、余分な塩分が排出されて、むくみの解消を助けます。

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菊芋の効果的な食べ方や保存方法

菊芋の効果的な食べ方や保存方法

菊芋は、食べ方や保存方法を工夫すると、栄養素をより効率的に摂取できます。

朝食に取り入れる

菊芋は夕食よりも朝食に取り入れる方が、食後血糖値の上昇を抑えるうえで効果的です。

菊芋パウダーを用いた実験では、夕食前に摂取した場合よりも、朝食前に摂取した方が、食後血糖値の上昇が抑えられていました。

さらに、朝食前に摂取した方が、その後1日の血糖値の変動も抑えられていました。

朝食で味噌汁やサラダの具材にすると、気軽に続けやすくおすすめです。

参考:金鉉基, 柴田重信 「時間生物学を利用した機能性食品開発~イヌリンのヒト試験を中心に~」 生物工学会誌(2019)

皮ごと食べる

菊芋の皮にはイヌリンやカリウムなどの栄養素が多く含まれるため、よく洗って皮ごと調理すると栄養を無駄なく摂取できます

汚れが気になる場合は、金タワシで軽く擦りながら、よく洗いましょう。

菊芋はクセが少ないため、薄皮のまま調理しても美味しく食べられます。

土がついたまま冷暗所で保存

菊芋は洗わずに土がついたまま新聞紙で包み、ビニール袋に入れて冷暗所で保存すると長持ちします。

保存前に水洗いしてしまうと、日持ちが悪くなります。

保存期間の目安としては、常温保存で約1週間、冷蔵庫で約1か月程度です。

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菊芋を食べる際の注意点

菊芋を食べる際の注意点

多くの効能がある菊芋ですが、まれに体に悪影響を及ぼす場合もあります。

菊芋を食べる際は、注意点についても知っておくと安心です。

キク科アレルギーの人は摂取を控える

キク科の植物に対してアレルギーがある人は、菊芋の摂取を控えてください。

キク科の植物には菊芋のほかにも、春菊やレタス、ゴボウ、ふき、ヤーコンなどがあります。

さらに、ヨモギやブタクサが原因で花粉症の症状が現れる人も、注意が必要です。

ヨモギとブタクサもキク科の植物であるため、菊芋を食べると、まれにアレルギー症状を引き起こす可能性があります。

食べ過ぎは腹痛の原因となる

菊芋は食べ過ぎると、腹痛を引き起こすおそれがあります。

これは、菊芋に含まれる水溶性食物繊維が水分を吸収し、便をやわらかくする作用によるものです。

腸内の水分が過剰になると下痢を起こしやすくなるため、菊芋を取り入れる際は適量にとどめましょう。

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菊芋のおすすめレシピ

菊芋のおすすめレシピ

菊芋は加熱しても生でも美味しく食べられる、バリエーション豊かな食材です。

ここでは、菊芋のおすすめレシピを2つご紹介します。

菊芋のポタージュ

  1. 菊芋はよく洗い、皮ごと適当な大きさにカットする。玉ねぎはスライスする。
  2. 鍋にオリーブオイルを引いて加熱し、中火で1を炒める。
  3. 2がしんなりしたら、水とコンソメを加えて煮込む。
  4. 3がやわらかくなったら、火を止めて豆乳を加える。ミキサーやブレンダーで、なめらかになるまで撹拌する。
  5. 再び火にかけて、塩とこしょうで味を整える。

菊芋のカリウムは水溶性のミネラルで、ゆでたり煮込んだりして調理すると水に流出します。

しかし、汁ごと摂取するポタージュなどでは、溶け出した菊芋のカリウムも無駄なく摂取可能です。

温かいスープを飲むと体温が上昇し、菊芋の効能と相まって、基礎代謝を高める効果も期待できます。

菊芋の胡麻マヨサラダ

  1. 菊芋は皮をむいて千切りにし、5分ほど水にさらす。にんじんは千切りにして1〜2分ゆでる。水菜は食べやすい長さに切る。
  2. ボウルにマヨネーズ、すり胡麻、めんつゆを入れてよく混ぜ合わせる。
  3. ボウルに1を加えてよく和える。

菊芋を生で食べて、シャキシャキとした歯触りのよい食感を楽しむレシピです。菊芋とほかの野菜を一緒に食べると食物繊維の摂取量が増えるため、腸内環境の改善効果を後押しできます。

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まとめ

菊芋は、水溶性食物繊維であるイヌリンや、ミネラルの一種であるカリウムを豊富に含むキク科の野菜です。

菊芋を食べると、食後血糖値の上昇抑制や高血圧の改善など、さまざまな効能が期待できます。

また、なるべく朝食に取り入れる、皮ごと調理するなどの工夫で、栄養と効能をさらに生かすことができます。

クセが少なく幅広い料理に応用しやすい点も魅力ですが、摂りすぎるとお腹の不調を招くことがあるため、適量を守って楽しみましょう。

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この記事では、カリウムが豊富に含まれている食べ物を紹介しています。カリウムの働きや、効果的な摂取方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事では血圧を下げる効果がある食べ物や、選ぶポイントを解説します。さらに、血圧を下げる効果を高める食べ方や調理のポイントについても紹介しますので、最後までチェックしてみてください。