イワシは栄養豊富な魚!種類・加工による栄養の違いや健康効果も解説

イワシは栄養豊富な魚!種類・加工による栄養の違いや健康効果も解説

イワシは、たんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミンD・B群など、さまざまな栄養素が豊富な青魚です。

とくに不足しがちなオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)を多く含むことから、生活習慣病の予防効果も期待されています。

この記事では、イワシに含まれる主な栄養素と、健康への効果を詳しく解説します。

ビタミンDには、骨を丈夫にする、うつ症状を改善するなど、さまざまな効果が知られてます。この記事では、ビタミンDのもつ働きと効果、適切な摂取の方法などを解説します。

イワシに含まれる主な栄養素

イワシに含まれる主な栄養素

生のマイワシには、可食部100g当たりに、主に以下のような栄養素が含まれています。

栄養素などマイワシの可食部
100g当たりの含有量
エネルギー156kcal
たんぱく質19.2g
EPA780.0mg
DHA870.0mg
カルシウム74mg
2.1mg
ビタミンB10.03mg
ビタミンB20.39mg
ナイアシン7.2mg
ビタミンB60.49mg
ビタミンB1216.0μg
ビタミンD32.0μg

引用元:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

これらの栄養素について、特徴や働きを詳しく解説します。

たんぱく質

生のマイワシ100gには、19.2gのたんぱく質が含まれています。

たんぱく質は、骨・筋肉・皮膚・毛髪・内臓など、あらゆる組織を構成するために必要な栄養素です。体内の酵素やホルモンの材料にもなり、代謝の調整や免疫機能にも深く関与しています。

たんぱく質が不足すると、体力や免疫力、思考力など、全身の機能が低下する恐れがあるため、積極的に摂取したい栄養素です。

イワシは、たんぱく質の代謝に欠かせないビタミンB群も豊富で、優れたたんぱく源になる食品です。

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)

イワシは、オメガ3脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいます。

EPAとDHAは、魚類に多く含まれる一方、ヒトの体内では少量しか合成できず、食事からの十分な摂取が望ましい栄養素です。

EPAは、血中の中性脂肪を減らし、血栓を防ぐ働きがあります。

DHAは、血管系の病気の予防や、脳の機能維持を助ける効果があります。

なお、オメガ3脂肪酸は酸化されやすい性質があるため、抗酸化作用があるビタミンA・C・Eなどと一緒に摂取すると、より効果が期待できるでしょう。

カルシウム

マイワシには、骨などを除いた可食部にも、100gあたり74mgのカルシウムが含まれています。

カルシウムは人体に最も多く存在するミネラルで、丈夫な歯や骨の形成に欠かせません

また、筋肉の収縮や心臓の拍動にも関与しており、生命を維持するうえで極めて重要な栄養素です。

30~74歳の成人では、男性で1日に750mg、女性で650mgのカルシウム摂取が推奨されていますが、日本では不足しがちな傾向があります。

イワシには、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDも含まれているため、効率よくカルシウムを摂取できます。

マイワシ100gには、鉄が2.1mg含まれています。

鉄は、赤血球中の「ヘモグロビン」の材料となり、全身に酸素を運ぶ役割を担います

鉄が不足すると、疲労感や息切れなどの症状が現れる「鉄欠乏性貧血」になることもあります。

鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まるので、イワシを食べる際は、野菜や果物と組み合わせた食事メニューが効果的です。

ビタミンB群

イワシにはビタミンB群が豊富です。とくに含有量が多いものとその働きをまとめます。

ビタミン(マイワシ100g中の含有量)関与する体の機能
ビタミンB1(0.03mg)糖質をエネルギーに変える代謝
ビタミンB2(0.39mg)糖質・脂質・たんぱく質の代謝
ナイアシン(7.2mg)糖質・脂質・たんぱく質の代謝
ビタミンB6(0.49mg)たんぱく質やアミノ酸の代謝
ビタミンB12(16.0µg)赤血球の生成、DNAの合成

ビタミンB群はいずれも、体内で酵素の働きを助けて、栄養素の代謝や体の材料となる物質の合成などに関わる栄養素です。

なお、ビタミンB群は水溶性で、体内に貯蔵しておけないものが多いため、こまめに摂取するようにしましょう。

ビタミンD

日本人にとって、魚類はビタミンDの主要な摂取源です。

イワシにも豊富で、生のマイワシ100gには32μgマイクログラムのビタミンDが含まれています。

ビタミンDは、血中カルシウム濃度の調節に関わる栄養素です。

また、カルシウムの吸収を助け、さらにカルシウムを骨に沈着させる働きもあります

引用元:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
飯田薫子『一生役立つ きちんとわかる栄養学』2019年、西東社

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イワシの栄養がもたらす健康効果

イワシの栄養がもたらす健康効果

イワシに含まれる豊富な栄養は、どのような健康効果をもたらすのでしょうか。

期待できる効果を見ていきましょう。

生活習慣病の予防

イワシには、生活習慣病の予防に役立つ栄養素が多く含まれています。

たとえば、EPAやDHAには血中の中性脂肪を減少させる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを低減するとされています

また、ビタミンB群は糖質や脂質の代謝に関与し、エネルギー産生を助けることで、糖尿病の予防にもつながると期待されています

骨粗しょう症の予防

イワシは豊富なカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDが含まれるため、骨粗しょう症の予防に役立つ食品です

丸干しやみりん干しなどのイワシの加工品は、骨まで食べられることが多く、身だけ食べる場合に比べて格段に多くのカルシウムが摂取できます。

生のイワシの調理でも、骨ごとすり身にして、イワシハンバーグやつみれにすると効果的です。

脳の活性化

イワシに含まれる良質なたんぱく質や脂質は、体内のさまざまな組織を健全に保つうえで重要な働きを担っています。

たんぱく質の構成成分であるアミノ酸は、脳の成長や機能維持にも欠かせません

さらに、オメガ3脂肪酸のひとつであるDHAにも、脳や神経の機能を支える働きがあることが知られているのです。

日常的にイワシを取り入れることで、認知機能を維持する働きが期待できます。

美肌効果

イワシに含まれるたんぱく質は、皮膚や毛髪を作るために必要な栄養素です。

また、ビタミンB2は「再生のビタミン」とも呼ばれており、皮膚や爪などの代謝と深く関連しています。

食生活にイワシを取り入れることで、美肌効果をはじめとする美容面でのメリットも期待できます

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イワシの種類や加工による栄養価の違い

イワシの種類や加工による栄養価の違い

よく食用にされるイワシには、いくつかの種類があります。

この章では、イワシの種類や加工法による栄養価の違いを紹介します。

主なイワシの種類と栄養価

日本で最も多く消費されているイワシは「マイワシ」で、生干し・丸干し・塩干し・水煮など、さまざまな加工も行われています。

小型の「カタクチイワシ」は、煮干しや田作りなどの用途に適しています。

北海道以南に広く分布する「ウルメイワシ」は、めざしやみりん干しへの加工が一般的です。

各栄養素の含有量は、イワシの種類によって異なり、とくにオメガ3脂肪酸やビタミンDなどは大きな差も見られます。

以下に、生のイワシの可食部100g当たりの栄養価を示します。

カロリーDHAEPAたんぱく質カルシウムビタミンD
マイワシ156kcal870mg780mg19.2g74mg2.1mg32µg
カタクチイワシ171kcal770mg1100mg18.2g60mg0.9mg4µg
ウルメイワシ124kcal660mg290mg21.3g85mg2.3mg9µg

日本で最もよく食べられているマイワシは、さまざまな栄養素がバランスよく含まれていることがわかります。

生と加工品のイワシの栄養価を比較

イワシは加工方法により、栄養価が大きく変わることもあります

加工方法別に、マイワシの可食部100g当たりの栄養価をまとめます。

加工方法カロリーたんぱく質カルシウムビタミンD脂質
156kcal19.2g74mg32μg9.2g
丸干し177kcal32.8g440mg50μg5.5g
みりん干し314kcal31.4g240mg53μg15.7g
水煮182kcal22.4g82mg13μg8.7g

丸干しやみりん干しでは水分が減って栄養素が凝縮され、100g当たりの含有量は高まる傾向にあります。

また、カルシウムの摂取量は、イワシの骨を食べるかどうかで大きく変わります。骨ごと食べられることが多い干物や缶詰めは、カルシウムの摂取に適しています

みりん干しは、みりんの糖分によってカロリーが高くなるため、カロリー制限をしたい人は注意しましょう。

引用元:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

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まとめ

イワシは、良質なたんぱく質をはじめ、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミンDやB群などを豊富に含む食品です。

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)の含有量も多く、生活習慣病の予防をはじめとする多くの働きが期待できます。

イワシの栄養には脳の健康維持や美容効果も期待できるため、加工品も上手く活用しつつ、食生活に取り入れてみるとよいでしょう。

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