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甘酸っぱい風味と愛らしい見た目で、多くの人に愛されているいちご。
近年では品種改良が進み、美味しいいちごが国内の様々な地域で栽培されていますが、有名な産地といえばどこかご存じですか?
本記事ではいちごの産地トップ5を紹介し、人気品種の特徴やその地域のいちごが有名な理由を解説します。
いちごを長持ちさせる保存方法や美味しい食べ方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
いちご産地ランキングトップ5
以下は令和5年のいちご収穫量の県別ランキングトップ5です。
順位 | 県名 | 収穫量(単位:トン) |
---|---|---|
1位 | 栃木県 | 24,600 |
2位 | 福岡県 | 16,000 |
3位 | 熊本県 | 11,700 |
4位 | 愛知県 | 11,100 |
5位 | 静岡県 | 10,600 |
出典:作物統計調査 | 作況調査(野菜) | 確報 | 令和5年産野菜生産出荷統計
収穫量を見ると、栃木県が24,600トンと他の4県を大きく引き離してダントツのトップとなっています。
さらに2位の福岡県から5位の静岡県まで、1万トン台が続きます。
それでは早速、県別に特徴を確認していきましょう。
ランキング1位!栃木県のいちご

人気品種の特徴
栃木県のいちごで人気の品種は「とちあいか」です。
とちあいかは、栃木県で10番目のオリジナル品種として2019年に生まれた新種のいちごです。
形は丸みを持った優しい三角形で、光沢のある濃い赤色がパッと目を引きます。
粒が大きくて果肉もぎっしりと詰まっており、濃厚な香りと控えめな酸味、きわだった甘さが特徴とされています。
有名な理由
栃木県がいちごの産地として有名なのは、内陸性の気候がもたらす寒暖差がその生育に適しているからです。
内陸性の気候は、一年間では夏と冬、一日では昼と夜に大きな寒暖差があります。
この寒暖差がいちごの甘みを増すポイントとなるのです。
また、栃木県は首都圏から近いという立地にも恵まれており、新鮮ないちごを需要の多い土地へ早く届けられる点も、産地としての強みです。
ランキング2位!福岡県のいちご

人気品種の特徴
福岡県のいちごで人気の品種は「あまおう」です。
あまおうは福岡県が6年間かけて開発したブランドいちごです。
名前の由来は「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字。
その名前の通り、艶のある赤さと丸い形、粒が大きくて甘みと酸味のバランスが良いのが特徴です。
有名な理由
福岡県でいちごが有名なのは、主にあまおうの人気によるものです。
以前の主力であった「とよのか」を、より高品質に改良したのが、あまおうです。
また、澄んだ空気と水、肥沃な土壌に恵まれた福岡は、美味しいいちごを生産するのに最適な土地です。
さらに、福岡には都会としての一面もあるため、需要と供給がバランスよく調和します。
ランキング3位!熊本県のいちご

人気品種の特徴
熊本県のいちごで人気の品種は「ゆうべに」です。
かつては「ひのしずく」が有名でしたが、12月の収穫量が少ないという弱点がありました。
弱点を補う品種として開発されたゆうべには、12月にもたくさん収穫できます。
果実は大粒で円錐形のスマートな形で、果皮は艶のある紅色。
切ると実の中まで赤く染まっていて、口に含むと濃厚な味わいが広がります。
有名な理由
土壌が豊かで豊富な地下水に恵まれた熊本県はいちご栽培に適した立地です。
また、もともと野菜などのビニールハウスが多かったことも、いちご栽培が盛んになった理由です。
さらに、農業高校などでもいちごの栽培や開発が行われ、新しい品種が生まれています。
ランキング4位!愛知県のいちご

人気品種の特徴
愛知県のいちごで人気の品種は「とちおとめ」です。
とちおとめは1996年に栃木県で開発された品種ですが、愛知県でも多く栽培されています。
見た目は整った円錐形と鮮やかで光沢のある赤色をしており、食感は実が詰まってしっかりとしていて、甘みと酸味のバランスがとれた味わいが特徴です。
有名な理由
愛知県は冬場の日照時間が長いため、寒さの厳しい冬でも甘くてジューシーないちごの生産が可能で、県内全体にいちご産地が広がっています。
また、主力商品であるとちおとめ以外にも「章姫」「紅ほっぺ」「ゆめのか」を栽培しており、さらに2023年には新品種として「愛きらり」の開発に成功しました。
新品種の販売を安定させると共に、今後もさらにいちご生産地としての発展が期待されています。
ランキング5位!静岡県のいちご

人気品種の特徴
静岡県のいちごで人気の品種は「紅ほっぺ」です。
紅ほっぺは、1994年に「章姫(あきひめ)」と「さちのか」をかけ合わせることで生まれた静岡生まれのいちご品種です。
外観は、大粒で鮮やかな紅色をしており、カットすると内部まで赤く染まっています。
パックを開けると周囲に広がる強い香りと、ジューシーでコクのある味わいが特徴。
甘みも酸味も強めなので、いちご本来の味を堪能したいという方におすすめです。
有名な理由
温暖な気候に恵まれた静岡県では「石垣いちご」と呼ばれる栽培方法を行っています。
石垣いちごとは、山の斜面で石垣を利用して栽培するいちごのことです。
太陽光がたっぷりと降り注ぐ石垣では、燃料不要でビニールを被せるだけで温室が完成します。
「石垣いちご」で開催されるいちご狩りも人気で、静岡の観光スポットとなっています。
いちごを長持ちさせる保存方法

甘くてジューシーないちごを長く楽しむには、どんな保存方法が適しているのでしょうか。
収穫したばかりのいちごなら常温保存も可能ですが、スーパーなどで購入したいちごは収穫から数日が経過しているため、冷蔵庫での保存がおすすめです。
ここでは、以下の2つの保存方法について解説します。
- 冷蔵保存する場合
- 冷凍保存する場合
ぜひ、いちごの保存の参考にしてください。
冷蔵保存する場合
冷蔵保存する場合は以下の手順で行いましょう。
- いちごをパックからそっと取り出す
- 水気があればキッチンペーパーなどで優しく拭き取る
- 清潔な容器にキッチンペーパーを敷く
- いちごのヘタを下に向けて容器に並べる
- キッチンペーパーを被せて容器のフタを閉める
- 冷蔵庫の野菜室に入れる
野菜室は果物や野菜に適した温度が保たれているため、冷蔵室よりも長持ちします。
いちごは傷が付くと傷みやすいので、優しく扱うように注意しましょう。
保存期間の目安 | 5~6日程度 |
ポイント | ・洗うと傷みやすくなるため洗わずに保存 ・いちごは重ねずに1段で並べる |
冷凍保存する場合
いちごは冷凍でも保存可能です。
冷凍することでさらに長期間保存できるため、5~6日で食べきれそうにない場合は冷凍保存しましょう。
冷凍保存は以下の手順で行います。
- いちごのヘタを取らずに優しく水洗いする
- 水気をそっと拭き取ってからヘタを取る
- いちごの重量を計る
- いちごの重量の5~10%の砂糖をまぶす
- 冷凍用ジッパー付きポリバッグ等に入れて冷凍庫で保存する
砂糖をまぶすことで冷凍焼けを防いで、甘みを保つ効果があります。
保存期間の目安 | 1カ月程度 |
ポイント | ・冷凍するための作業は清潔な環境で行う ・冷凍いちごは解凍すると水分を含んでしまうため、 シャーベットやスムージーの材料におすすめ |
生だけじゃもったいない!?いちごの美味しい食べ方を紹介

新鮮ないちごは、そのまま食べるのが一番です。
とはいえ「こんなにたくさんは食べきれない」「たくさん食べすぎて飽きてきた」なんていう経験はありませんか?
ここでは生以外の、いちごの美味しい食べ方を2つ紹介します。
いちごジャム
春になっていちごが少し安くなる時期は、いちごジャムを作ってみてはいかがでしょう。
意外と簡単なので、お料理初心者の方にもおすすめです。
~材料(ジャム約300ml分)~
- いちご:2パック(約500g)
- グラニュー糖:300g
- レモン汁:大さじ1
~作り方~
- いちごのヘタを包丁で取り除く(縦半分に切っても良い)
- いちごをボウルに入れる
- いちごの上からグラニュー糖とレモン汁を加える
- しゃもじなどで混ぜ、グラニュー糖をいちご全体に行きわたらせる
- ラップをかけて冷蔵庫で5~6時間置く(冬場は涼しい室内でも可)
- いちごの果肉を別の入れ物に分ける
- ボウルに残った水分を中火にかけてアクが出たらすくう
- 沸騰して大きな泡が出て来たら分けておいたいちごを加える
- 約15分間、こまめにアクを除きながら煮詰める
- いちごに透明感が出てとろみが付いたら完成
弱火でじっくり煮るイメージがありますが、一貫して中火で仕上げた方が艶のあるきれいなジャムができます。
いちごのムース
デザートやちょっとしたパーティにもおすすめの、いちごのムースです。
生クリームを使わないので、混ぜるだけで簡単にできます。
~材料(4人分)~
- いちご:200g
- 牛乳:200ml
- 砂糖:35g
- プレーンヨーグルト:50g
- ゼラチン:5g
- 水:大さじ2
~作り方~
- いちごのヘタを包丁で取り除く
- ゼラチンを大さじ2杯の水でふやかしておく
- ボウルに牛乳、ヨーグルト、砂糖を入れてミキサーなどで混ぜる
- ふやかしたゼラチンを電子レンジで30秒加熱して③に入れて混ぜる
- 器に分け入れて冷蔵庫で冷やす
- 固まったらイチゴやミントなどをトッピングして完成
砂糖の量は好みで調整してください。
チョコを合わせても美味しくできます。
まとめ
この記事では、いちごの産地トップ5の県と人気の品種の特徴などについて、解説しました。
同じいちごでも、産地によって品種ごとに味や形などの特徴があります。
いちごの品種改良は今後もさらに進み、美味しいものが次々と生まれてくることでしょう。
いちごを購入する際には、ぜひ個々の産地や品種にも注目してみてください。
新しい魅力を知るきっかけとなるでしょう。