片栗粉の代用品は?用途別(とろみ・揚げ衣・つなぎ)に4つずつ紹介

片栗粉の代用品は?用途別(とろみ・揚げ衣・つなぎ)に4つずつ紹介

とろみづけや揚げ物の衣によく使う片栗粉は、切らしていると、とても困る食材です。

片栗粉は、コーンスターチ・小麦粉・米粉といった身近なもので代用でき、用途に合った代用品を選ぶと料理の仕上がりも近くなります。

この記事では、「とろみづけ」「揚げ衣」「肉ダネのつなぎ」の3つの用途ごとに、片栗粉の代用品を、おすすめ順に4つずつ紹介します。

各代用品の特徴・使い方・注意点もまとめているので、ぜひ片栗粉がないときの参考にしてみてください。

この記事では「小麦粉」と「薄力粉」の違いを明確にするとともに、種類ごとの特性や用途について詳しく解説します。特性の違いによる使い分け方や、小麦粉が不足したときに役立つ代用品についてもわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてください。

片栗粉の特徴と主な用途

片栗粉の特徴と主な用途

片栗粉は、ジャガイモ馬鈴薯ばれいしょを原料としたグルテンを含まないでんぷん粉です。

もとはカタクリというユリ科の植物の根が原料でしたが、現在はジャガイモから作られるものが一般的で、主に以下のような用途で使われます。

  • 料理のとろみづけ(麻婆豆腐、八宝菜、和食のあんかけ料理など)
    とろりと滑らかなとろみがつく。
    無色透明で、料理の色合いを邪魔しない。
    冷めると緩みやすい。
  • 揚げ物の衣(から揚げ、竜田揚げ、揚げ出し豆腐、南蛮漬けなど)
    サクッとした軽めの食感。
    白く粉を吹いたような見た目になる。
    冷めてもサクサク感が続くが、少し油っぽくなる。
  • 肉ダネのつなぎ(つくね、焼売、肉団子など)
    粘着力があり、まとまりやすい。
    ふんわりとした柔らかい食感に仕上がる。
  • 肉や魚にまぶして焼く・煮る(チンジャオロースー、治部じぶ煮など)
    素材を柔らかく、ジューシーに保つ。
    煮物では、煮汁に適度なとろみがつく。

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「とろみづけ」に使える片栗粉の代用品【おすすめ順】

「とろみづけ」に使える片栗粉の代用品【おすすめ順】

この章では、料理のとろみづけに使える片栗粉の代用品を、おすすめ順に紹介します。

いずれの食材も、同量の水で溶いて使うとよいでしょう。

①コーンスターチ(片栗粉に似た程よいとろみ・白っぽい仕上がり)

片栗粉の代用品として、とくにおすすめなのが、とうもろこし由来のでんぷん粉であるコーンスターチです。

とろみづけでの片栗粉との違いは、以下のとおりです。

  • 片栗粉に似た、軽やかで程よいとろみがつく。
  • 仕上がりはやや白っぽく、透明感は少なめ
  • 粘度が低めでサラッと仕上がるため、加える量は様子を見ながら調整する。

コーンスターチは、軽い口当たりと、冷めてもとろみを保ちやすいのが特徴です。

主にカスタードクリームなどの洋菓子や、冷製ポタージュなどの洋食に使われます。

片栗粉に似たとろみをつけられるコーンスターチは、代用品として十分に活用できます。

②米粉(おかゆのような優しいとろみ・白っぽい仕上がり)

米粉も、片栗粉の代用品としておすすめです。

米粉を使用したとろみづけには、以下のような特徴があります。

  • おかゆの上澄みのような、白濁した優しいとろみがつく。
  • 片栗粉に比べてとろみが緩いため、様子を見ながら量を調整する。
  • 米特有の味や香りが感じられるため、入れすぎると味に影響する場合がある。

米粉は、米を砕いて粉状にした食材で、うるち米やもち米、玄米などを原料としています。

とろみづけにはうるち米が原料の米粉が適し、一般的に「米粉」「米の粉」などの名称で販売されています。

米粉はグルテンフリーの食材としても注目され、料理やお菓子作りなど、小麦粉の代用品としても需要が増加傾向です。

③葛粉(ツヤがあり、なめらかなとろみ・上質で高価)

とろみづけにくず粉を使用すると、ツヤがあり、なめらかなとろみがつけられます。

葛粉は、マメ科の植物「葛」の根を精製して作られたでんぷん粉で、手間のかかる製法と原料の希少性から、高価な食材として知られています。

葛のみを原料とした葛粉は「本葛」と呼ばれる高級品です。

一方で、ジャガイモやサツマイモのでんぷんを混ぜた安価な製品も出回っています。

葛粉は上質なとろみがつけられ、片栗粉の代用品としても使えます。

ただし価格が高いため、日常使いよりも、おもてなし料理など特別な場面に向いています。

④小麦粉(サラッとしたとろみ・ダマになりやすい・白っぽい仕上がり)

片栗粉の代わりに小麦粉を使って、とろみをつけることも可能です。

ただし、片栗粉とは性質が異なるため、次のような点に注意が必要です。

  • 粘度が低く、サラッとしたとろみとなる。
  • 水に溶けにくいため、ダマになりやすい
  • 仕上がりが白っぽくなる

①〜③で紹介した代用品と比べても、最もとろみが弱く、見た目も白濁しやすいのが特徴です。

片栗粉がないときに代用できますが、仕上がりにこだわりたい料理にはあまり向かないでしょう。

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「揚げ衣」に使える片栗粉の代用品【おすすめ順】

「揚げ衣」に使える片栗粉の代用品【おすすめ順】

片栗粉は、から揚げや竜田揚げ、南蛮漬けなど、揚げ物の衣としても使用されます。

この章では、揚げ衣に使える片栗粉の代用品をおすすめ順に紹介します。

①米粉(サクッと軽い食感・冷めてもサクサク感が続く)

米粉を衣にした揚げ物には以下のような特徴があり、片栗粉の代用品として、とくにおすすめです。

  • サクッとした軽い食感に仕上がる。
  • 冷めてもサクサク感が続く
  • 油っぽくないため、胃もたれしにくい。

米粉の油の吸収率はおよそ21%で、小麦粉の38%に比べて低く、油切れがよいのが特徴です。

このため、時間が経っても油っぽくならず、さっぱりとヘルシーに食べられます。

参考:農林水産省「米粉をめぐる状況について」(PDF)

②小麦粉(揚げたてはサクサク、時間が経つとしっとり)

片栗粉の揚げ衣は、やや異なる仕上がりになるものの、小麦粉でも代用できます。

小麦粉で作った揚げ衣は、次のような仕上がりになります。

  • 揚げたてはサクサクとした食感。
  • 時間が経つとしっとりしやすい。
  • 衣が厚く、重めになる。
  • こんがりとした色づきと香ばしい風味

小麦粉は、水を加えてこねると「グルテン」というたんぱく質が生成されます。

グルテンには粘着性と弾力性があり、衣が厚くつきやすく、油を多く吸収しがちです。

そのため、片栗粉に比べて時間が経つとしっとりしやすく、やや重めの仕上がりになります。

また、南蛮漬けなど、揚げたあとに液体に浸す料理では、衣がザラつくことがあります。

たんぱく質を多く含むことから、揚げる際に色や風味が付きやすいことも特徴です。

③コーンスターチ(カリッとクリスピーな軽い食感)

コーンスターチも、片栗粉の代用品として揚げ衣に使いやすい粉のひとつで、以下のような特徴があります。

  • カリッとしたクリスピーな食感。
  • 衣が薄づきで、軽やかな仕上がり
  • 油っぽくならず、冷めてもカリカリ感が続く。

①の米粉に近い仕上がりですが、より歯ごたえのある食感になります。

ただし、衣がつきにくく、はがれやすいため、扱いには少し注意が必要です。

揚げ物の際は、少量の小麦粉を混ぜて使うと、扱いやすくサクッとした衣に仕上がります。

④おからパウダー(ザクザクとした香ばしい食感・焦げやすい)

おからを乾燥させて粉状にした「おからパウダー」も、揚げ衣として活用できます。

片栗粉の代用品として使うと、以下のような衣に仕上がります。

  • ザクザクとした硬めの食感。
  • 香ばしい風味。大豆特有の味を感じることも。
  • 油を吸いやすく、やや重めの仕上がり。

大豆を原料とするおからパウダーは、低糖質かつ食物繊維が豊富な食材で、糖質制限中にも適しています。

ただし、油を多く吸収しやすいため、カロリーも高くなりがちです。

また、焦げやすく衣がはがれやすいため、低温で揚げてから高温で仕上げる、油に入れてしばらくは触らないなどの工夫をすると、きれいに仕上がります。

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「肉ダネのつなぎ」になる片栗粉の代用品【おすすめ順】

「肉ダネのつなぎ」になる片栗粉の代用品【おすすめ順】

つくねや焼売などの肉ダネに、つなぎとして片栗粉を加えると、ふんわりとした柔らかい食感に仕上がります。

この章では、片栗粉の代わりになるつなぎの食材を、使いやすさや仕上がりの良さをもとに、おすすめ順に紹介します。

①小麦粉(つなぎとして一般的・片栗粉よりも重めの仕上がり)

小麦粉は、肉ダネのつなぎとして一般的な食材です。

片栗粉の代用品としてもおすすめで、以下のような特徴があります。

  • まとまりやすさ・扱いやすさは片栗粉と同等
  • 片栗粉よりもやや重めに仕上がる。
  • 練りすぎると硬くなりやすい

小麦粉はグルテンを形成するため、肉ダネに弾力が出やすくなります。

片栗粉の代わりに使う場合は、手順の最後に加えて軽く混ぜる程度にすると、ふんわり感を保てます。

②お麩(水分を抱え込み、ふわふわの食感に)

ハンバーグのつなぎにも使われるお麩は、片栗粉の代用品としてもおすすめの食材です。

お麩は、小麦粉を練ってデンプンを洗い流し、残ったグルテンを加熱・乾燥して作られます。

水分をしっかりと抱え込むため、肉ダネがふわふわに仕上がるのが特徴です。

つなぎとして使う際は、ポリ袋などに入れて砕き、少量の水を吸わせてから加えると、全体にムラなくなじみます。

③おからパウダー(水分を吸収し、ふっくらと仕上がる)

片栗粉の代わりに、おからパウダーを使うこともできます。

おからパウダーを加えた肉ダネには、次のような特徴があります。

  • 水分を吸収し、ふっくらと仕上がる。
  • 低糖質かつ食物繊維が豊富なため、ヘルシー。
  • 粘着性が低く、単独ではまとまりにくい

おからは水分をよく吸うため、入れすぎると生地が硬くなることがあります。

水分をやや多めに加えるほか、卵などと併用すると、まとまりやすく、ふっくらと仕上がります。

④米粉(片栗粉と同じように使える・冷めると硬くなりやすい)

米粉も、肉ダネのつなぎとして活用できる食材です。

でんぷん質を多く含むため、片栗粉と同じように使えますが、冷えると硬くなりやすい特性があります。

温かいうちに食べる料理に適しており、冷めてから食べる場合は、米粉の量を減らす、水分を多めにするなどの工夫をすると、柔らかく仕上がります。

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まとめ

調理の際に片栗粉を切らしていた場合でも、さまざまな食材で代用が可能です。

「とろみづけ」には、片栗粉に似た程よいとろみがつけられる、コーンスターチや米粉がおすすめです。

「揚げ衣」には、軽い食感で冷めてもサクサク感が続く米粉や、から揚げの衣としても定番の小麦粉が向いています。

「肉ダネのつなぎ」には、つなぎとして一般的な小麦粉、ふわふわの食感でヘルシーなお麩などが活用できます。

片栗粉の代用品となる食材には、それぞれの特徴があります。

これらの特性を知ったうえで活用すると、片栗粉を使用しなくても、おいしい料理が作れます。

ぜひ、参考にしてみてください。

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