ふるなびスタッフ
目次
生クリームは常備していない家庭も多く、必要なときに手元にないことがあります。
また、脂肪分や乳製品を控えたいケースもあるでしょう。
そんなときは、ヨーグルトや牛乳、豆腐などの身近な食材で代用が可能です。
この記事では、生クリームの代用品を「ホイップ」「お菓子作り」「料理」の用途別に紹介します。
とくにホイップクリームは、代用品の作り方やメリット・デメリットも詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
生クリームとは生乳・牛乳の乳脂肪分からなる食品
生クリームとは、生乳や牛乳の乳脂肪分を主な原料とする食品です。
厚生労働省では、生クリームを「生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」と定義しています。
成分規格としては乳脂肪分18.0%以上であること、さらに添加物を含まないことが条件とされています。
生クリームは、お菓子から料理まで幅広く利用され、以下のようなメニューに使われます。
- お菓子：ホイップクリーム・ムース・レアチーズケーキ・生チョコ・パンナコッタなど
- 料理：クリーム煮・パスタソース・グラタン・フレンチ料理のソースなど
参考：厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」
ホイップに使える生クリームの代用品3選
生クリームの代表的な用途のひとつに、ホイップクリームがあります。
ケーキのデコレーションやパフェ、シュークリームの中身など、多くのお菓子に欠かせない存在です。
この章では、ホイップ作りに使える生クリームの代用品として、味・食感・作りやすさの観点から、以下の3つを厳選して紹介します。
| 代用品 | 再現度 （味） | 再現度 （食感） | 作りやすさ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 水切りヨーグルト | ★★☆ | ★★★ | ★★★ | 生クリームに近い食感。 ヨーグルトの酸味が多少残る。 手軽に作れる。 |
| 牛乳＋ゼラチン | ★★★ | ★★★ | ★☆☆ | 生クリームに近いコクのある味わい。 作るのに手間がかかる。 |
| 木綿豆腐 | ★★☆ | ★☆☆ | ★★☆ | 乳製品不使用でヘルシー。 豆腐の風味が残りやすい。 生クリームのコクは出にくい。 |
各代用品について、順に詳しく解説します。
水切りヨーグルト
水切りヨーグルトはホイップに近い味や食感を手軽に再現できるため、生クリームの代用品として適しています。
作り方
- ボウルの上にザルを置き、ザルの上にキッチンペーパーを敷く。
- キッチンペーパーの上にヨーグルトをのせる。
- 冷蔵庫で約2時間、水切りする。
※ザルの底がボウルから浮くようにし、ヨーグルトから出た水分が触れないようにする。
※急ぐ場合は、食品用のポリ袋に水を入れて固く口を閉じ、ヨーグルトの上にのせて重しをすると、30分ほどで水切りできる。 - お好みの量のハチミツ（または砂糖）を加えて混ぜる。
※砂糖は溶けにくいため、よく混ぜる。
生クリームを水切りヨーグルトで代用するメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 手軽に作れる。
- 生クリームに近い食感が得られる。
デメリット
- わずかにヨーグルトの酸味が残る。
ヨーグルトの水分をしっかり切ると酸味が和らぎ、食感もより生クリームに近づきます。
なお、水切りの際に出る水分は「ホエー（乳清）」と呼ばれ、酸味と豊富な栄養成分を含みます。料理に加えたり、ハチミツを混ぜてドリンクにしたりするなど、捨てずに利用してもよいでしょう。
牛乳＋ゼラチン
牛乳にゼラチンを加えて固めると、少し手間がかかりますが、ホイップクリームのようなコクのある味わいになり、しばらくは食感もよく再現できます。
ただし、時間が経つと緩くなるため、作ってすぐに食べるシーンに向いています。
材料
- 牛乳：200mL
- 粉ゼラチン：5g
- 砂糖：大さじ2
作り方
- 冷たい牛乳50mLにゼラチンを加え、5分ほどふやかす。
- 1.を500Wの電子レンジで20秒加熱し、ゼラチンを溶かす。
※沸騰させないよう注意。 - 残りの牛乳150mLに砂糖を加え、500Wの電子レンジで50秒温めて砂糖を溶かす。
- 3.に2.のゼラチン入り牛乳を加え、よく混ぜてから冷蔵庫で20分ほど冷やし固める。
※急ぐ場合は氷水に当てると早く固まる。 - ほぼ固まったら泡立て器でよく混ぜ、滑らかにする。
※初めはモロモロとしているが、混ぜ続けると滑らかになる。
牛乳にゼラチンを加えた代用品には、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 今回選んだ3つのなかでは最も生クリームに近い味わい。
デメリット
- 作るのに手間と時間がかかる。
- 常温に置くと緩くなる。
木綿豆腐
木綿豆腐も、生クリームの代用品に使える食材で、乳製品不使用のためダイエット中や乳製品アレルギーのある人にもおすすめです。
風味や食感は、乳製品を使う代用品と比べるとやや劣りますが、あっさりとした味わいに仕上がります。
材料
- 木綿豆腐：300g
- 砂糖またはメープルシロップ：大さじ2～3
- オイル（お好みで・サラダ油やキャノーラ油など香りが強くないもの）：小さじ1程度
作り方
- 豆腐をキッチンペーパーで包み、重しをして30分ほど水切りする。
- 1.に砂糖（メープルシロップ）を加え、フードプロセッサーやブレンダーで滑らかになるまで撹拌する。
- お好みでオイルを加え、さらに混ぜるとよりクリーミーになる。
フードプロセッサーやブレンダーがない場合は、手動でも作れます。
水切りした豆腐をすり鉢ですりつぶし、さらに泡立て器で混ぜると滑らかさが出るので、参考にしてください。
生クリームを木綿豆腐で代用すると、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 乳製品不使用でヘルシー。
- さっぱりとした軽い味わい。
デメリット
- 豆腐の風味が残りやすい。
- 口どけのよい食感にはなりにくい。
豆腐の風味が気になる場合は、バニラエッセンスやレモンの皮のすりおろしなどを加えてもよいでしょう。
お菓子作りに使える生クリームの代用品3選
この章では、ホイップ以外のお菓子作りに使える生クリームの代用品を3つ紹介します。
牛乳
牛乳は、生クリームの代用品として手軽に使えるおすすめの食材です。
とくに生チョコやベイクドチーズケーキに向いており、あっさりとした味わいに仕上がります。
生クリームと違い、泡立てても固まらないため、固さが必要な場合はゼラチンや片栗粉・コーンスターチなどと組み合わせるとよいでしょう。
牛乳は家庭で常備しやすく、生クリームに比べて安価で、脂質やカロリーも控えめです。
手軽で扱いやすい代用品のひとつといえます。
ヨーグルト
ヨーグルトも、生クリームの代用品に適した食材です。
酸味がありさっぱりとしているため、レアチーズケーキや果実のムースなど、爽やかな風味のスイーツによく合います。
ヨーグルトのほどよいとろみを生かし、生クリームを軽く泡立てて混ぜるレシピに使うのもおすすめです。
さらに、生クリームに比べて脂質やカロリーが低めで、100gあたりの数値は以下のとおりです。
- ヨーグルト：脂質 3.0g・エネルギー 56kcal
- 生クリーム：脂質 43.0g・エネルギー 404kcal
絹ごし豆腐
生クリームを植物性の食材で代用するなら、ヘルシーで入手しやすい絹ごし豆腐がおすすめです。
さっぱりとした味わいが特徴で、とくに生チョコやレアチーズケーキなどに向いています。
一方で、味の点では豆腐の風味が残りやすいため、よく水切りしてから使用するのがポイントです。
豆腐は植物性たんぱく質が豊富で、ビタミンやミネラルなども摂取でき、栄養面でも積極的に取り入れたい食材です。
料理に使える生クリームの代用品4選
料理に生クリームを使うと、まろやかなコクが加わり、ほどよいとろみがつけられます。
この章では、生クリームが手元にない場合や、使用を控えたい場合に役立つ4つの代用品を紹介します。
牛乳＋バター
牛乳とバターを組み合わせると、生クリームのコクを手軽に再現できます。
牛乳だけではあっさりしすぎる料理も、バターを加えるとミルキーな風味がアップします。
牛乳とバターは、クリーム煮やクリームパスタ、グラタンなど、幅広い料理に使える組み合わせです。
クリーム煮やホワイトシチューには、柔らかくしたバターに等量の小麦粉を混ぜて練り合わせた「ブールマニエ」を加えると、とろみがつきやすくなります。
牛乳＋片栗粉
脂質を抑えたい場合は、牛乳と片栗粉の組み合わせも生クリームの代用品として利用可能です。
クリーム煮やホワイトシチューなどのとろみをつけたい料理に向いており、ヘルシーながら満足感のある仕上がりになります。
水溶き片栗粉のように、片栗粉を同量の牛乳でよく溶いてから、残りの牛乳に加えて加熱して使います。
とろみの強さは片栗粉の量で調整でき、ダマにならないよう均一に溶かし入れるのがポイントです。
この組み合わせは、バターのようなコクは出にくいですが、とろみがあるため十分な満足感を得られます。
豆乳＋白味噌
豆乳と白味噌は、和風の味わいに仕上げたいときに適した代用品です。
どちらも大豆が原料の食材で、ヘルシーかつ栄養価が高い点が特徴です。
豆乳のやさしい風味に白味噌の旨みが加わったまろやかな味わいは、グラタンやクリームパスタなどを和風にアレンジしたいときに適しています。
濃厚さを出したい場合は、少量の片栗粉や小麦粉などでとろみをつけるとよいでしょう。
生クリームとは違った味わいですが、ひとつのバリエーションとして知っておくと便利です。
カシューナッツペースト
カレーのコク出しなどに使われるカシューナッツペーストは、生クリームの代用品としても利用できます。
ナッツの自然な甘みとまったりとした濃厚さが特徴で、クリームパスタやグラタンなどの料理に適しています。
市販の食塩無添加タイプを選ぶと使いやすく、粒のカシューナッツに水を加えてミキサーで撹拌すれば手作りも可能です。
植物性で栄養価も高いため、動物性脂肪を控えたい人にも向いています。
ただし、価格がやや高めで、ナッツ特有の風味が強く出る点には注意が必要です。アレルギーがある人は使用を避けましょう。
まとめ
生クリームは、牛乳やヨーグルト、豆腐などの身近な食材で代用できます。
牛乳やヨーグルトは、脂質やカロリーを抑えながら生クリームに近い味わいを再現できるため、ダイエット中にも適しています。
豆腐は安価で手軽に使え、動物性の食品や脂質を制限したいときにも便利です。
使いたいときに生クリームがない場合や、食事制限をしているときなどの代用品として、ぜひお役立てください。
