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ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附することで所得税や住民税が軽減され、寄附のお礼として返礼品がもらえる制度。
本業以外に仮想通貨で利益が出た場合、ふるさと納税を行うと恩恵を受けることが可能です。
今回は、副業として仮想通貨取引をしている人に向けて、仮想通貨の雑所得とふるさと納税の関係についてご紹介します。
仮想通貨の利益は雑所得となり税金が発生する
副業として仮想通貨取引を行っている人も少なくありません。
仮想通貨取引で利益が出ると、その金額は雑所得となり、課税対象となります。
個人で仮想通貨を持っている場合、仮想通貨の利益はビットフライヤーなどの取引所で日本円に交換することで確定します。
雑所得は収入から経費を差し引いて計算しますが、利益が多くなるにつれて税額も大きくなります。
返礼品に関しても、寄附金額が高くなると、選択できる幅が広がります。
本業以外に仮想通貨で利益が出た場合、ふるさと納税を行うことで寄附控除の限度額が大きくなるため、それに伴い所得税や住民税の軽減というメリットを得ることが可能です。
仮想通貨の雑所得があるならふるさと納税がおすすめ
仮想通貨取引で利益が出た場合には、ふるさと納税の活用がおすすめです。
平成20年にスタートしたふるさと納税は一時期、豪華すぎる返礼品がマスコミに取り上げられ話題となりました。
国の指導により「返礼品合戦」が落ち着きを見せる中、利用者も着実に増加し、ある調査では国民の3割以上がふるさと納税を利用しているともいわれています。
ふるさと納税は、全国の応援したい自治体に寄附をすることで、寄附した人も自治体も互いにメリットを享受できる仕組み。
寄附した人は実質的な自己負担金2,000円を支払うことで、お礼として返礼品がもらえるだけでなく、住民税、所得税が軽減されます。
一方、自治体は寄附されたお金で新しい施策を行うことが可能となる仕組みです。
仮想通貨の取引をしたことがない人でも、ふるさと納税には大いにメリットがあります。
ふるさと納税をするメリット
仮想通貨の取引経験も含めて、まずは、ふるさと納税をするメリットについて見ていきましょう。ふるさと納税をするメリットは以下の通りです。
- 返礼品の選択肢が増える
- 寄附する自治体を増やせる
寄附金額が多くなると、返礼品の選択の幅が広がります。
寄附する自治体は1つだけではありません。複数の自治体に寄附を行うこともでき、目的を指定することも可能です。
ふるさと納税が節税になるわけではない
インターネット上で「ふるさと納税は節税対策になる」といった言葉を見かけることがありますが、ふるさと納税は節税の方法ではありません。
前払いした税金が後から控除・減額されることに加え、返礼品がもらえるため、税金が安くなって得をした気分にさせてくれることから「節税」と勘違いしている人が多いようです。
2022年に3万3,000円をふるさと納税で寄附した場合、3万3,000円から2,000円を差し引いた3万1,000円に所得税率20%(所得金額により税率は異なります)を掛けた6,200円が、2022年度の所得税から控除されることになります。
仮想通貨で利益がある場合は寄附上限額に影響する
ふるさと納税をする際、仮想通貨取引での利益が寄附の上限額に影響します。
仮想通貨の雑所得は給与所得と合算されるので、上限額が上がると、例えば、選択できる返礼品の数、ふるさと納税専門サイトやクレジットカードのポイントが多くもらえるなどのメリットが得られます。
寄附に対する控除額については、それぞれの所得に応じて上限があり、上限額は年収や家族構成などによって異なってきます。
上限を超えて寄附したとしても、超過分が控除・還付されないため、自分の所得などに見合う上限額がどれくらいになるか事前に確認した上で寄附することが大切です。
仮想通貨の雑所得がある場合のふるさと納税寄附上限額の計算方法
給与収入400万円、雑所得200万円(仮想通貨取引による収入300万円-必要経費100万円)、夫婦と高校生の子ども1人、配偶者控除がある場合を考えてみましょう。
社会保険料控除額などの所得控除は、給与収入の15%だと仮定します。
ふるさと納税専門サイト「ふるなび」には、給与所得者以外でも上限額を計算できる詳細シミュレーションがあるのでぜひ活用してください。
給与収入400万円だけで計算すると、寄附額の上限は3万3,000円です。
一方、仮想通貨の雑所得を合算すると400万円×所得控除分(1-0.15)+200万円=540万円となります。合算した場合は、下記の個人事業主の上限額を計算するシミュレーションを使うと良いでしょう。
課税所得金額 | 課税所得に応じた変数 |
---|---|
~195万円以下 | 23.559% |
195万円超~330万円以下 | 25.066% |
330万円超~695万円以下 | 28.744% |
695万円超~900万円以下 | 30.068% |
900万円超~1,800万円以下 | 35.520% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40.683% |
4,000万円超 | 45.398% |
課税所得金額が540万円の場合の計算式は、以下の通りです。
住民税所得割額 × 28.744% + 2,000円
ふるさと納税の控除上限額の計算には、住民税所得割額が必要です。
住民税所得税割額は、毎年5,6月に住んでいる自治体から送られる「住民税決定通知書」に記載されています。
おおまかな金額を知りたい場合は、住民税所得税割額 × 0.2で計算してください。
仮想通貨の雑所得がある場合のふるさと納税の注意点
仮想通貨の雑所得がある場合にふるさと納税を行うことには、下記のような注意点があるので知っておきましょう。
- 自己負担額2,000円が発生する
- 控除を受けるためには申請が必要
- 返礼品が一時所得となり課税対象となることもある
自己負担額2,000円が発生する
ふるさと納税をする際は、仮想通貨取引での雑所得の有無にかかわらず、自己負担額2,000円が必ず発生します。
ふるさと納税は自己負担2,000円で金額以上の返礼品がもらえる、と説明されることもあるのですが、正確には、寄附した金額の合計から自己負担2,000円を除いた金額が所得税・住民税から控除される仕組みです。
控除を受けるためには申請が必要
所得税や住民税の控除を受けるためには、申請が必要です。
給与所得者だと、ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告は不要。ただし、ワンストップ特例制度を利用するためには、まず「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、寄附した自治体に申請書を送らなければなりません。
なお、仮想通貨取引による雑所得が20万円以上の場合は、ワンストップ特例制度は利用できないのでご注意ください。
寄附した自治体から送られた「寄附金受領証明書」を添付し、確定申告をする必要があります。
返礼品が一時所得となり課税対象となることもある
ふるさと納税の返礼品が高額な場合は、「一時所得」として課税対象となることがあります。
年間50万円までは非課税ですが、50万円を超えると確定申告を行わなければなりません。多額なふるさと納税をする場合は、注意が必要です。
仮想通貨の雑所得がある場合のふるさと納税のやり方
仮想通貨の雑所得がある場合のふるさと納税のやり方は以下の通りです。
① 給与所得に雑所得を合算し、所得額を確認する
② 寄附できる金額の目安を調べる
③ 寄附する自治体を決め、寄附をする
④ 返礼品と、「寄附金受領証明書」を受け取る
⑤ 寄附金受領証明書を添付して確定申告を行う
⑥ 確定申告書の寄附控除の欄に金額を記入する
まとめ
仮想通貨の雑所得がある場合、ふるさと納税の控除上限額が高くなります。
上限額が高くなると、より多く寄附することができ、それに伴い所得税や住民税の控除額も大きくなるのです。
給与所得に仮想通貨による雑所得を含めた総所得金額を事前に認識した上で寄附を行うのがポイント。
仮想通貨の雑所得がある人は、ふるさと納税の特徴を理解した上でうまく使いこなしてください。