目次
ふるさと納税を行うと、寄附金額に応じて、所得税からの還付金を受け取ることができます。
還付金の額は人によって異なります。
自分はどの程度受け取れるのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは
- ふるさと納税に関する還付金の計算方法
- 還付金を受け取る手続き
- 還付金を受け取れる時期
などについて解説します。
ふるさと納税の還付金とは
ふるさと納税とは、全国各地の自治体に任意で寄附を行うことができる制度です。
自治体から返礼品を受け取れることも大きな魅力です。
ふるさと納税を利用すると、寄附金額のうち自己負担分の2,000円を除いた分について、所得額から寄附金控除を受けることができ、その年の所得税額と、翌年の住民税額が減額されます。(上限あり)
すでに納めた所得税額が、本来納めるべき金額を上回っていると、差額を還付金として受け取ることができます。
還付金を受け取るための確定申告のやり方
還付金を受け取るためには、原則として確定申告が必要です。
一連の流れを簡単に解説します。
1.必要書類等を準備する
確定申告を行う前に、以下の4点を準備しましょう。
準備するもの | 備考 |
---|---|
寄附金受領証明書 | 「寄附金控除に関する証明書」でも代用可能 |
源泉徴収票 | ふつう、年末~年始頃に勤務先が発行する |
還付金を受け取る口座 | 本人名義のものであること |
マイナンバーカード | 電子申告(e-Tax)を行わない場合は、マイナンバーが分かるものがあればよい |
「ふるなび」などのふるさと納税サイトでは、寄附金受領証明書を紛失してしまった場合でも、寄附金控除に関する証明書を印刷できるサービスがあります。
寄附金受領証明書の代用として使えるため、活用してください。
2.確定申告書を作成する
上記にて準備した書類などをもとに、申告書を作成します。
作成方法は大きく分けて「手書きで書類に記入する方法」と「ネット上で入力する方法」の2つです。
記入するための書類は税務署で入手できるほか、国税庁のホームページからもダウンロードが可能です。
「確定申告書等の様式・手引き等」 (出典:国税庁ホームページ)
ネット上で入力する場合も、国税庁のホームページから作業が行えます。
その他にも、確定申告に対応したソフトやサービスがあるため、有効に活用してください。
「確定申告書作成コーナー」 (出典:国税庁ホームページ)
3.確定申告書を提出する
申告書類を提出方する方法は、郵送、持参、電子申告(e-Tax)の3つです。
郵送、または持参の場合は確定申告書の現物が必要になります。
ネット上で確定申告書を作成した際は、忘れずに印刷してください。
電子申告(e-Tax)の場合は、ネット上で入力したデータを確定申告書として提出できるため、書類の印刷は不要です。
ワンストップ特例制度利用時は還付金がない
ワンストップ特例制度を利用してふるさと納税を行った場合は、所得税の還付金が発生しません。
全額が住民税からの控除となります。
ワンストップ特例制度とは、確定申告しなくても寄附金控除のメリットを受けられる制度です。
以下の条件を満たすことで利用できます。
- 会社員など、ふるさと納税以外に確定申告が発生しない人
- 1年の間(1月~12月)、5つ以内の自治体にふるさと納税を行った人
ワンストップ特例制度を利用した場合、所定の書類を自治体に郵送することで確定申告が不要になり、寄附金額が上限以下ならば、自己負担額を除いた全額が翌年の住民税から控除されます。
そのため所得税からの還付はされませんが、税金から控除される総額は、確定申告を行った場合と同じです。
ふるさと納税の還付金はいくらなのか
ふるさと納税を行って確定申告した場合は、所得税からの還付金が発生します。
所得税は、一人ひとりの所得に対して課税されるため、金額は人によって異なります。
「No.2260 所得税の税率」 (出典:国税庁ホームページ)
還付金の額は、計算しておおよその金額を知ることができます。
還付金額の計算方法
ふるさと納税の還付金は、以下の計算式で求められます。
(ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円)×(所得税の税率)
税額の控除は所得税と住民税に分けて適用されるため、「寄附した金額-2,000円」の全額が還付金として戻ってくるわけではありません。
所得税の税率は2037年(令和19年)まで「復興特別所得税」の税率が加算されるので、ご注意ください。
還付金額のシミュレーション
例として、年収500万円の方が還付される金額はどの程度か見てみましょう。
- 年収(給与収入)500万円、独身
- 限度額の上限までふるさと納税を行った
年収500万円の場合、ふるさと納税で控除される上限は61,000円です。所得税は20%となるため、計算式は以下になります。
(61,000円 - 2,000円)×(20%)=11,800円
控除されるふるさと納税の上限はあくまで目安です。
正確な限度額を知りたい場合は、お住まいの市区町村に確認してください。
ふるさと納税の還付金をいつ受け取れるのか
ふるさと納税後、まずは確定申告を行います(ふるさと納税を行った翌年の2月中旬~3月中旬)。
確定申告後、4月~5月ごろに所得税の還付が行われます。
ふるさと納税の時期によっては、確定申告まで数か月空いてしまうケースも珍しくありません。
必要書類は慎重に管理し、紛失に注意してください。
翌年分の住民税が控除される
寄附金は、すべて所得税から控除されるわけではなく、残りは毎月納める住民税から控除されます。
所得税のように、還付金として受け取れるわけではないため注意しましょう
住民税が控除されるのは、所得税が還付された後になります。確定申告後、6月から翌年5月までの住民税から控除されます。
つまり、住民税の控除が始まるのは、ふるさと納税を行った翌年になります。
還付金の受け取り方法
ふるさと納税の還付金は、2通りの方法で受け取とれます。
- 指定した金融機関の口座へ振り込んでもらう
- 任意のゆうちょ銀行、郵便局の窓口で受け取る
振込みには本人名義の口座が必要になります。
また、一部のネット銀行は対応できないことがあるので注意してください。
「税金の還付」 (出典:国税庁ホームページ)
ふるさと納税の還付金額の確認方法
ふるさと納税の還付金額は、確定申告の際に「納める税額」の欄を確認してください。
「納める税額」に何も記載されず、「還付される税金」に金額が記載された場合、所得税が還付されることになります。
還付金が少ない原因
確定申告した結果、還付金が思ったよりも少ない、還付金が発生しないといったケースも存在します。
金額が少なく感じる・受け取れない原因はさまざまですが、下記のようなことが考えられます。
- 確定申告を忘れていた
- 無職の人や専業主婦(主夫)など所得がない人はそもそも住民税が発生しない(控除されるべき税金が存在しない)
- 納税者の名義が間違っている
- 計算方法を間違っている
- 役所の担当者が事務処理を間違えている
「還付金が少ない」「住民税が安くならない」といった疑問は、初歩的な計算ミスや勘違いが原因のケースも少なくありません。
違和感を覚えたら、勘違いや思い込みをしていないか、確認方法に間違いは無いか、落ち着いて確かめるようにしてください。
還付金が少ないときの対処法
還付金が少ないと気づいた場合、対処する方法があります。
確定申告は遡っての申告が可能です。
申告漏れが判明した場合でも、5年以内であれば手続きが行なえます。
また、申告内容に誤りを発見した場合は、更正の請求を行うことで正しい内容に訂正できます。
「還付金の額がおかしい」と感じたら、確定申告に問題は無かったか、毎年漏れなく申告しているか、確かめてみましょう。
(出典:国税庁ホームページ)
まとめ
ふるさと納税の還付金は、所得税からの還付になります。
一人ひとりに課税される所得税は違うため、正しく計算した上で確定申告を行いましょう。
万が一、間違いや申告漏れがあっても、訂正や追加の申告は可能です。
なおワンストップ特例制度を利用した場合は、控除はすべて住民税からとなるため、還付金は発生しません。
ふるさと納税は、返礼品はもちろん、税金が還付・控除されることも大きなメリットです。
抜けや漏れの無いよう確認し、活用してください。