長芋の栄養素とその効能・効果とは?夏バテ対策や生活習慣病の予防にも

長芋の栄養素とその効能・効果とは?夏バテ対策や生活習慣病の予防にも

滋養強壮に効果があり「山うなぎ」と呼ばれることもある長芋は、昔から栄養価の高い食品として知られてきました。

調理法もさまざまで、すりおろしてとろろにしたり、そのまま切ってサラダにしたり、加熱してホクホク感を楽しんだり。

もちろん、お好み焼きのつなぎとしても欠かせません。

そんな長芋の栄養やおすすめの食べ方、保存のコツなどをわかりやすく解説します。

煮物や汁物などでよく使われ、特有のねっとりとした食感が魅力の里芋。調理法によって食感の変わる里芋は、他の芋類とは異なる味わいをもち、他に変わりのきかない食材の一つです。今回の記事では、そんな里芋に含まれる豊富な栄養素や美味しい里芋の見分け方、保存方法、調理法などをまとめてお伝えしていきます。

長芋の主な栄養素とその効果

長芋の主な栄養素とその効果

「山うなぎ」と呼ばれるほど栄養価が高い長芋ですが、以下のような栄養素が含まれています。

  • 炭水化物
  • タンパク質
  • ビタミンB1
  • ビタミンC
  • カリウム
  • 食物繊維
  • ジアスターゼ(アミラーゼ) など

では、長芋を食べることで具体的にどんな効果が期待できるのか、見ていきましょう。

なお、これまで長芋には「ムチン」と呼ばれるぬめり成分があるとされてきましたが、研究の結果、ムチンとは別の物質であることがわかってきています。

滋養強壮効果で夏バテ予防

長芋は昔から「精がつく食べ物」と言われてきました。

薬膳では、「腎」を強化し体を潤すことで老化を防止する食材とされます。

デンプンを分解し消化を助けるジアスターゼが多く含まれており、摂取した栄養を吸収しやすくする働きも。

独特のぬめり成分には、胃腸の粘膜を保護する働きもあります。

糖質の代謝に不可欠なビタミンB1も豊富で、腸内環境を整える食物繊維や疲労物質を代謝するアミノ酸のアルギニンも多い食品です。

これらの栄養素の働きにより、疲労を回復してスタミナを補給、胃腸の働きも活発になり、滋養強壮、夏バテ予防にも効果があるとされます。

血糖値の急上昇を抑える

長芋には、食物繊維とレジスタントスターチ(難消化性デンプン)が多く含まれます。

レジスタントスターチとは、「体内で消化されないデンプン」です。

食物繊維と同様にほとんど消化されないまま大腸まで届き、腸内環境を改善する働きもあります。

さらに、このレジスタントスターチと食物繊維には食事の消化吸収をゆるやかにする働きがあり、それにより食後血糖値の急激な上昇を防ぐ効果もあるのです。

消化吸収を助けて胃もたれを防ぐ

長芋には、デンプンを分解する消化酵素のジアスターゼが豊富で、胃腸の粘膜を保護するぬめり成分も含まれます。

これらの栄養素により消化吸収が助けられ、弱った胃腸も再び活発に働けるようになるのです。

胃もたれなどの不快感も抑えられるため、食欲が落ちがちな暑い夏やつわり中の妊婦さんにも良いでしょう。

生活習慣病の予防に

食事のたびに繰り返す血糖値の急激な上昇は、糖尿病や動脈硬化のリスクとなります。

先ほども言ったように、長芋には食後血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあり、そのため、糖尿病や動脈硬化の予防にも効果的と言えるでしょう。

ナトリウム(塩分)の排出を促すカリウムも含まれているため、高血圧の予防にも。

このように、長芋の栄養素は生活習慣病の予防に役立つと期待できます。

便秘を解消しダイエットにも

食物繊維やレジスタントスターチには、腸内環境を整え便秘を解消する効果もあります。

他に、レジスタントスターチは脂肪の蓄積を抑え、カリウムはむくみを解消する働きも。

便秘による肌荒れにも良く、薬膳でも乾燥肌を改善するとされており、美肌効果も期待できます。

長芋のカロリーは、100gあたり64kcal。

食事全体のバランスには配慮しながら適度に取り入れることで、ダイエットの味方にもなってくれるでしょう。

ただし、とろろにするとご飯を食べ過ぎやすいため、量は守るようにしてください。

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長芋の仲間?山芋・大和芋・自然薯などとの違い

長芋の仲間?山芋・大和芋・自然薯などとの違い

長芋に似た食材として山芋や大和芋、自然薯などがありますが、これらの違いをご存知ですか。

それぞれの特徴や栄養素などについても見ていきましょう。

長芋も大和芋も自然薯も、全てが「山芋」

「山芋」というのはヤマノイモ科の芋類の総称で、じつは「山芋」という名称の野菜はありません。

その昔、里で取れる「里芋」に対して、山に自生する芋を「山芋」と呼んだとも言われます。

植物分類的には「ヤマノイモ科ヤマノイモ属ヤマノイモ種」に属するのが自然薯です。

「ヤマノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ種」に属するものに、「ナガイモ群(長芋、ねばり芋など)」「ツクネイモ群(山の芋、伊勢芋など)」「イチョウイモ群(いちょう芋など)」があります。

ただし、ここで注意していただきたいのは、地方によっても呼び方が異なる点です。

関西で「大和芋」というと「山の芋」を指しますが、関東では「いちょう芋」ですので、出身地を聞いて話のネタにしても面白いでしょう。

ちなみに、ヤム芋もヤマノイモ科の植物で、この他にもいろいろな種類があります。

長芋は大和芋・自然薯よりも低カロリー

栄養素の面では、長芋・大和芋・自然薯にそれほどの違いはありません。

しかし、カロリーは大きく異なります。

100gあたりのカロリーは、長芋64kcal、大和芋119kcal、自然薯118kcalです。

これは水分量の違いにも関係しており、長芋は水分を多く含むためサラサラしているのに対し、大和芋や自然薯は水分が少なく粘りがあります。

すりおろしてとろろにする際は大和芋や自然薯の方が出汁を多く入れるため、1食分のカロリーとしてはそこまで大きく変わらないでしょう。

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加熱で失われる成分もあり!栄養を逃さない長芋の食べ方

加熱で失われる成分もあり!栄養を逃さない長芋の食べ方

長芋の特徴は、調理法のバリエーションが豊かな点です。

生のままでも加熱してもおいしくいただけますが、栄養素の面では少し違いが出てくるため覚えておいてください。

ジアスターゼやレジスタントスターチは加熱で失われる

長芋の栄養素をしっかりと摂りたい場合には、生で食べた方が良いでしょう。

消化酵素のジアスターゼも、血糖値の急上昇を抑えるレジスタントスターチも、加熱によって効果が薄れてしまうのです。

レジスタントスターチは米や豆類、じゃがいも、さつま芋などにも含まれている成分ですが、加熱で失われるという弱点があります。

長芋の場合、生の状態で食べればレジスタントスターチを無駄なく摂取できるため、加熱せずに食べる方がおすすめです。

生の長芋は危険?栄養を逃さないためには生がおすすめ

ネット上には、一部に「生の長芋は危険なのでは?」という噂があるようです。

生の長芋は全く危険でないのですが、なぜこのような噂が出たのでしょうか。

これは、長芋には他の芋類にない特徴的な栄養素が含まれていることが関係するでしょう。

通常、デンプンを多く含む芋類は生食だとうまく消化吸収できず、下痢をする恐れもあります。(加熱により、消化されやすい構造のデンプンに変わります)

しかし、長芋にはデンプンを分解するジアスターゼが豊富で、それにより生で食べても消化ができて危険がないのです。

逆に、生で食べた方がジアスターゼの力を存分に発揮できます。

皮ごと食べてもOK

長芋は皮を剥かずそのまま食べても問題ありません。

皮ごと食べた方が皮に含まれる栄養素も丸ごと摂取でき、さらに長芋本来の風味も味わえます。

皮ごとならぬめりが気にならず、調理もしやすいでしょう。

ヒゲ根が気になる場合には、直火でサッと炙ってから水洗いすれば大丈夫です。

すりおろす際は、できればおろし金ではなくすり鉢での方がおいしくなるため、すり鉢をお持ちでしたらぜひ試してみてください。

おろす前に5〜10分ほど酢水に浸けておくと変色を防げ、手のかゆみも防止できます。

適量なら毎日食べても健康に問題なし

おいしくて体にも良い長芋ですが、毎日食べても問題ないのでしょうか。

これに関しては、食べ過ぎなければ毎日でも問題ありません。

1日100gくらいであれば、続けても大丈夫でしょう。

ただし、とろろご飯にするとついご飯を食べ過ぎてしまったり、噛む回数が減ってしまうことがあります。

これは問題ですので、ご飯の量はきちんと守り、しっかり噛んで食べるようにしてください。

もちろん、栄養バランスを考えた食事を目指しましょう。

大人にも子供にも人気の長芋簡単レシピ

すりおろしても切っても加熱してもおいしい長芋ですが、ビニール袋に入れて叩いて調理するのも簡単でおすすめです。

食べやすい大きさになるまで叩いたら、梅干しやシソなどをあえ軽く醤油をかけてできあがり。

海苔、塩昆布、柚子胡椒など、その日の気分や冷蔵庫にあるもので味を変えてみても良いでしょう。

ドレッシングやごま油なども試してみてください。

先にビニール袋にきゅうりを入れて叩き、適当なところで長芋も加えて叩き味付けすれば、おかずにもおつまみにもなると思います。

叩く作業はお子さんに任せれば、一緒に楽しく料理ができるでしょう。

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おいしい長芋の選び方と保存のコツ

おいしい長芋の選び方と保存のコツ

長芋の良さがわかってきたところで、実際においしい長芋を手に入れようと思った場合の選び方と保存のコツをご紹介しましょう。

せっかくですから、栄養価の高い長芋を選んで最後までおいしく召し上がってください。

長芋の賢い選び方のポイント

あまり細すぎず程よい太さで、ずっしりした重さのあるものが良いでしょう。

皮の色がきれいで、ヒゲ根がなるべく少ないものを選んでください。

カットされた長芋の場合には、断面が変色しておらずみずみずしいものがおすすめです。

まるごとの場合は常温保存も可

1本丸ごとの長芋が手に入った場合には、乾燥しないよう新聞紙で包んで風通しの良い冷暗所で保存しましょう。

冷蔵庫に入れず、常温保存で大丈夫です。

ただし、保存場所が20〜25℃以上になるような時期には、冷蔵庫の野菜室に入れるようにしてください。

使いかけは冷蔵保存で

使いかけの長芋は切り口をキッチンペーパーで覆い、その上からラップで包んで野菜室で冷蔵保存してください。

ポリ袋に入れても良いでしょう。

切り口が空気に触れると乾燥と酸化が進み傷みやすくなりますので、気をつけてください。

すりおろして冷凍保存すれば便利に使える

長芋が残った場合におすすめしたいのは、冷凍保存です。

あらかじめすりおろし、1回分ずつをフリーザーパックに入れ、空気を抜いてから封をして冷凍庫に入れます。

使うときには自然解凍や流水解凍をしてください。

使いやすい大きさに切った状態で冷凍しても構いません。

冷凍長芋があれば、忙しいときにも簡単にメニューを一品増やせて便利でしょう。

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