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居酒屋の焼き魚メニューとしておなじみの魚・ほっけ。
ふんわり厚い身と口の中に広がるコクのある旨味は、お酒だけでなくご飯との相性も抜群です。
全国的には干物として食べられることの多い魚ですが、産地の北海道などでは生のほっけを使った料理も定番。
刺身や寿司、煮付け、フライのほか、ムニエルやアクアパッツァなどの洋食にも合う使い勝手のいい魚です。
今回は、そんなほっけの上手な焼き方を調理器具別にご紹介。
冷凍のほっけを美味しく焼くコツも解説します。
ほっけってどんな魚?
漢字では「魚へん」に「花」と書くほっけ。
稚魚~若魚の時期のほっけは体色がコバルトブルーで、群れで泳ぐと美しい花のように見えることが由来といわれています。
ここでは、そんなほっけの産地・種類・旬・栄養などの基本情報をまとめました。
ほっけの産地と種類
関東や新潟県以北の海に幅広く分布しているほっけですが、一大産地は北海道。
国内水揚げ量の95%以上を占めていて、「国産のほっけはほぼすべて北海道産」といわれています。
なかでも、海水温度の低い羅臼や礼文、積丹などが、身の締まった美味しいほっけの産地として有名。
北海道で獲れるほっけは「真ほっけ」と呼ばれる種類がほとんどで、比較的脂は少なめで上品な味わいが特徴です。
一方、需要増加に伴って流通量が増えているのが、アラスカのベーリング海やロシアのオホーツク海で水揚げされたほっけ。
これらの輸入品は魚体に縞模様のある「縞ほっけ」が中心で、脂のりが良くジューシーなものが多いといわれています。
北海道ほっけの旬の時期は春と秋
北海道では一年を通して水揚げのある魚ですが、漁獲量が多いのは5~7月頃の春漁と10~12月頃の秋漁の時期。
エサを食べて大きくなった春のほっけと、産卵に備えて栄養を蓄えている秋のほっけは、どちらも北海道の旬の味覚です。
ほっけに含まれる栄養とカロリー
ほっけのカロリーは、生のものが100gあたり103kcal、開き干しの焼き魚が100gあたり179kcal。
ほかの魚類と比べて特別低い水準ではありませんが、イワシやアジなどの青魚と比べると低カロリーです。
また、ほっけのカルシウム含有量は、魚類の中でもトップクラス。
二日酔いを防ぐナイアシンのほか、記憶力向上効果のあるDHA(ドコサヘキサエン酸)、血液をサラサラにしてくれるEPA(エイコサペンタエン酸)などの必須脂肪酸も豊富に含まれています。
ほっけを焼くときの4つのコツ
ほっけの定番の食べ方といえば、焼き魚。
ただ焼くだけの簡単な調理法に思えますが、ほかの魚に比べてサイズが大きく、身も分厚いので、調理の失敗が起こりやすい食材です。
まずは、ほっけを焼くときに押さえておきたい4つのコツをチェックしましょう。
身から焼くのが基本!皮は最後に
ほっけを焼くときは、必ず身側から焼き始めるようにしましょう。
はじめに身の表面に火を通しておくことで、旨味をしっかりと閉じ込めることができます。
皮目から火を入れてしまうと、身の表面に浮き出た脂や旨味がすべて流れ出てしまうことに。
ほっけは身を表にして盛り付けることが多いので、身側を先に焼くことで見た目も美しく仕上がります。
焼く前に調理器具を予熱しておこう
どんな道具を使う場合でも、焼き始める前に調理器具をしっかりと温めておくことも重要。
素早く火が通るので旨味を閉じ込めやすくなるのはもちろん、パリッと香ばしく焼き上げることができます。
あらかじめ予熱しておくことで、ほっけが調理器具にくっつきにくくなるのもメリットです。
蒸し焼きで生焼けを防止しよう
ほっけを焼くときのよくある失敗のひとつが、「中心部まで火が通っていなかった」というもの。
生焼けを防ぐためには、蒸し焼きの状態を作ってあげることがポイントです。
焼く前にほっけの表面をさっと水で洗ったり、調理前または調理途中で水や酒を振りかけたりすることで全体に火が通りやすくなります。
焼きすぎ厳禁!余熱を活用しよう
生焼けになるのを恐れて、焼き時間を長くしすぎることは大きな間違い。
焼きすぎると必要以上に水分や脂が飛んでしまい、せっかくのふんわりとした身がかたくなってしまいます。
一定程度加熱したら火を止めて、しばらくそのまま放置しておくのが正解。
余熱でじんわりと火が通り、焼きすぎを防ぐことができます。
【ほっけの干物・開き】美味しい焼き方とポイント
定番のほっけの干物(開き、灰干しなど)の焼き方を調理器具ごとに解説します。
生のほっけや調味済みのほっけでも基本の焼き方は同じなので、ぜひ参考にしてみてください。
フライパンで焼く方法
サイズが大きく扱いにくいほっけは、直径26cmや28cmの大きなフライパンで焼くのが便利です。
手順1:フライパンにクッキングシートまたはフライパン用アルミホイルを敷く
フライパンにクッキングシートまたはフライパン用アルミホイルを敷き、1分ほど中火にかけて熱しておきましょう。
シートを使うことで、油を使わなくても、くっついたり身が崩れたりすることがありません。
フライパンの汚れも少なく済むので、後片付けも楽チンです。
手順2:ほっけの身側から焼き始める
ほっけは軽く水洗いしておくか、大さじ1杯ほどの水または酒を振りかけておきます。
フライパンに敷いたシートにほっけの身を下にして置き、表面に焼き目がつくまで弱火~中火で加熱しましょう。
手順3:裏返して皮側を蒸し焼きに
身側に焼き目がついたらフライ返しなどでやさしくひっくり返し、蓋をして弱火~中火のまま蒸し焼きにします。
全体に火が通ったら蓋を外して水分を飛ばし、皮目がパリッとするまで加熱しましょう。
みりん干し・味噌漬けにもおすすめ
フライパン調理は、調味済みのほっけを焼くときにもおすすめです。
焼き加減の調節がしやすいので、グリルやオーブンで焼くよりも焦げにくく、キレイに仕上がります。
魚焼きグリルで焼く方法
基本の焼き方はフライパンと同じですが、直火で焼き上げるグリルなら一段上の美味しさが味わえます。
両面グリルの場合
グリルの網にサラダ油や酢を塗り、あらかじめ予熱しておきましょう。
十分温まったら、ほっけの身を上にして置きます。
表裏同時に火が通るので、中火で10分ほど加熱すればOKです。
片面グリルの場合
両面グリルの場合と同様、ほっけの身側から焼き始めます。
弱火~中火で8~10分ほど加熱して表面に焼き色がついたら、裏返して中火でさらに2~3分ほど。
皮側にもほどよく焼き色がついたら完成です。
オーブン・トースターで焼く方法
天板にクッキングシートやアルミホイルを敷き、その上にほっけの身を上にして置きます。
200℃前後に予熱しておいたオーブンやトースターに入れ、10~20分ほど加熱してください。
中まで火が通る前に表面が焦げてしまうのを防ぐため、焼き色がついたらアルミホイルを被せましょう。
炭火で焼く方法
バーベキューなどで、炭火でほっけを焼くときは、遠火の強火で仕上げるのが理想です。
ほっけを置く場所の真下ではなく、少し離れた場所に炭を寄せておき、遠赤外線でじっくりと加熱します。
ほかの方法と同様に、必ず身側から焼き始めてください。
【冷凍ほっけ】美味しい焼き方とポイント
冷凍の干物は、焼くだけで主菜になる便利なストック食材。
一般には「凍ったまま焼く方が良い」とされていますが、ほっけの場合はどうでしょうか?
冷蔵庫で解凍してから焼くのが基本
上手に解凍しないとドリップが出て旨味成分が流れ出たり、生臭さが際立ったりすることから、冷凍干物は凍った状態のまま焼くことが推奨されています。
ところが、ほっけのように身が厚い魚の場合は、解凍してから焼くのがおすすめ。
凍ったままだと焼くのに時間がかかりすぎるだけでなく、中まで十分に火が入らず、生焼けになってしまう可能性があります。
ドリップが出るのを防ぐため、冷蔵庫で4~6時間かけてゆっくりと解凍するようにしましょう。
小さめ・薄めのほっけは冷凍のまま焼こう
身の厚みがそれほどないほっけであれば、解凍せずに凍った状態のまま焼いてもOK。
冷凍のまま焼く場合は火加減を弱めにして、通常よりじっくり時間をかけて焼くようにしましょう。
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