小麦粉と薄力粉に違いはある?小麦粉の呼び方や種類を丁寧に解説

小麦粉と薄力粉に違いはある?小麦粉の呼び方や種類を丁寧に解説

「レシピに『小麦粉』と書かれているけど、薄力粉とはどう違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では「小麦粉」と「薄力粉」の違いを明確にするとともに、種類ごとの特性や用途について詳しく解説します。

特性の違いによる使い分け方や、小麦粉が不足したときに役立つ代用品についてもわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてください。

この記事では、材料や食感からみたパンの種類や、味の特徴、おすすめの食べ方などを紹介しています。ぜひ、パン選びの参考にしてください。

「小麦粉」と「薄力粉」は同じもの?

「小麦粉」と「薄力粉」は同じもの?

はじめに「小麦粉」と「薄力粉」がそれぞれ何を指しているのか、また、レシピに「小麦粉」と書いてある場合に何を使えばよいのかについて解説します。

違いを正しく理解すれば、レシピの意図をより明確に把握できるようになるでしょう。

レシピの「小麦粉」と「薄力粉」は一般に同じもの

「小麦粉」は、薄力粉・中力粉・強力粉といった、小麦を挽いて粉状にした食品の総称です。

そのなかでも薄力粉は、日本でもっとも普及している「普通の小麦粉」であり、レシピに「小麦粉」とだけ記載されている場合、たいていは薄力粉を指しています。

詳しい違いは後ほど説明しますが、薄力粉は他の小麦粉に比べて軽く柔らかな仕上がりが特徴です。

そのため、ケーキやクッキーといった焼き菓子や天ぷらの衣など、さまざまな料理に活用されています。

なお、薄力粉のパッケージには「薄力小麦粉」と表記されていることが多いので、スーパーなどで購入する際にはこの表記を目印にするとよいでしょう。

小麦粉には性質の違う「強力粉」や「中力粉」もある

パンやピザのようにしっかりした弾力が求められる料理には、中力粉や強力粉が用いられます。

このような料理は、他の小麦粉で代用してもうまく作れないことが多く、レシピにも単に「小麦粉」ではなく「中力粉」や「強力粉」などと明記されるのが一般的です。

小麦粉の分類は、主にたんぱく質の含有量によって決まります。

薄力粉は小麦粉のなかでもたんぱく質の含有量が少なく、次いで中力粉、準強力粉、強力粉の順に含有量が多くなります。

小麦粉の種類たんぱく質の含有量主な用途
薄力粉6.5%~9.0%カステラ、ケーキ、和菓子、
てんぷら粉、ビスケット
中力粉7.5%~10.5%うどん、即席麺、
ビスケット、和菓子
準強力粉10.5%~12.5%中華麺、餃子の皮
強力粉11.5%~13.0%食パン

参考:農林水産省「第60回 食料・農業・農村政策審議会食糧部会 『参考資料2 麦の参考資料』」

たんぱく質の含有量は、生地のふくらみや料理の食感に影響します。

たとえば、クッキーを作る際に薄力粉を使うと軽くてサクサクした食感になり、強力粉を使うと硬く歯応えのある仕上がりになります。

これは、たんぱく質の含有量が多い小麦粉を使ったほうが「グルテン」の形成量が多くなるためです。

グルテンとは、小麦粉に含まれる主なたんぱく質である「グリアジン」と「グルテニン」が、水を加えて生地を練る過程で結びつき、網目構造を形成したものです。

グルテンには粘りと弾性という2つの特性があり、形成量が多いほど生地が硬く、しっかりとした仕上がりになります。

こうした特性を踏まえ、軽く仕上げたい料理には薄力粉、もちもち感やコシを求める料理には強力粉を使うなど、作りたい料理や求める食感に応じて使い分けるのが基本です。

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薄力粉・中力粉・強力粉の違いと使い分け

薄力粉・中力粉・強力粉の違いと使い分け

小麦粉は種類によりたんぱく質の含有量や特性が異なり、料理やお菓子作りの仕上がりに大きな影響を与えます。

薄力粉・中力粉・強力粉の違いを知って適切な小麦粉を選び、理想の食感を引き出しましょう。

薄力粉|ふんわり軽い仕上がりが魅力

薄力粉は一般的に粒子が細かく、触れるとしっとりした感触です。

他の小麦粉と比べてグルテンの形成量が少なく、ふんわり仕上げたいカステラやケーキ、サクッと軽い食感が求められるクッキーや天ぷらに適しています。

また、軽い食感を出すためには生地を混ぜすぎないことも重要です。

薄力粉を使った場合でも、生地を混ぜすぎるとグルテンが増え、ホットケーキの厚みが出なかったり、天ぷらがカラッと揚がらなかったりします。

ケーキやクッキーの生地は均一になるまである程度混ぜる必要がありますが、ホットケーキや天ぷらは多少粉っぽさが残る程度に軽く混ぜるだけでじゅうぶんです。

中力粉|適度な柔らかさとコシがうどん向き

中力粉は、薄力粉と強力粉の中間の性質を持つ小麦粉です。

日本では、小麦粉の大部分を輸入に頼っていますが、中力粉は国内産も多く見られます。

中力粉は、うどん用として需要が多いほか、お好み焼きやたこ焼きにも使われることがある小麦粉です。

中力粉は程よい柔らかさと弾力を併せ持つ生地を作るのに最適で、その特性から「うどん粉」とも呼ばれています。

また、お菓子ではかりんとうやドーナツ、カヌレなど、適度な硬さやもっちり感が求められるものに使用されています。

強力粉|弾力のあるもちもち食感が特徴

強力粉はたんぱく質の含有量が多い小麦粉です。

もちもちとした食感やしっかりした歯応えが求められる料理に向いており、とくにパンやピザ生地によく使われます。

また、粒子が荒くサラサラした感触なので、パン生地を伸ばす際などに台やめん棒に振る「打ち粉」にも適しています。

軽い仕上がりが求められる料理には向きませんが、タルト生地やパウンドケーキを作る際に少量加えることで、ザクッとした食感やもっちり感を加えるような使い方も可能です。

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必要な小麦粉がないときに使える代用品

必要な小麦粉がないときに使える代用品

ホワイトソースや揚げ衣など、薄力粉を少量使う料理では、中力粉や強力粉でもじゅうぶん代用できます。

また、小麦粉自体がない場合でも、他の粉で工夫して代用可能です。

ここでは、料理のシーンに応じた小麦粉の代用品をいくつか紹介します。

ホワイトソースやとろみ付けに使えるもの

ホワイトソースやとろみ付けには、片栗粉やコーンスターチ、米粉などが小麦粉の代用品として使えます。

とくにホワイトソースは、粉を牛乳で溶いて加熱し、コンソメで味付けするだけで簡単に作れて、バターを使う従来のホワイトソースよりもあっさりヘルシーに仕上げることが可能です。

ただし、片栗粉やコーンスターチはとろみを付ける力が強いため、慣れないうちは少量ずつ加えながら調整するとよいでしょう。

揚げ衣に使えるもの

揚げ衣には片栗粉やコーンスターチ、米粉、天ぷら粉などが適しています。

ただし、小麦粉とは若干異なる食感に仕上がることがあり、たとえば片栗粉で作った唐揚げは小麦粉のものよりもザクザクした食感になります。

また、お好み焼き粉やたこ焼き粉を使うのもおすすめです。

これらの粉はだしや調味料が含まれているため、下味に使う調味料を控え目にしてもおいしく仕上がります。

お菓子作りに使えるもの

お菓子作りには、米粉やてんぷら粉、コーンスターチ、きな粉、おからパウダー、アーモンドパウダーなど、さまざまな粉が活用できます。

たとえば、米粉はケーキやクッキーに使うと、しっとりとした仕上がりになるのが特徴です。

コーンスターチはサクッと軽い食感のお菓子に適しており、きな粉やアーモンドパウダーは香ばしい風味を加えられます。

また、おからパウダーを使えば低糖質でヘルシーなお菓子が作れます。

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まとめ

薄力粉は日本でもっとも普及している小麦粉です。

レシピに「小麦粉」と書いてある場合は、基本的に「薄力粉」を指していると考えて問題ありません。

小麦粉には薄力粉のほかにも、中力粉や強力粉などの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

そのため、レシピで「中力粉」や「強力粉」のように粉の種類が指定されている場合は、できるだけ指定どおりの粉を使うことをおすすめします。

ただし、料理に慣れてきたら、好みに合わせて小麦粉の種類を変えてみるのもひとつの楽しみ方です。

それぞれの特性を活かしながら、ぜひ料理を楽しんでみてください。

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