目次
美容や健康への効果が高いデーツは、世界的にポピュラーなドライフルーツです。
最近は日本でも人気が出てきており、スーパーなどでも手軽に購入できます。
この記事では、デーツに期待される効果を詳しく解説します。
デーツに含まれる栄養素や、美容と健康に効果的な食べ方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ナツメヤシの果実「デーツ」とは?

デーツは、ヤシ科の高木「ナツメヤシ」の果実で、エジプトやアルジェリアなどの北アフリカ、サウジアラビアやイランなどの中東を中心に栽培されています。
ナツメヤシの木にデーツの実が生ると、枝についたまま乾燥させ、ドライフルーツとして食されます。
乾燥させたデーツは黒糖のような甘さと果実のフルーティさがあり、干し柿のような食感が特徴です。
デーツに含まれる主な栄養素
デーツは、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なフルーツです。
以下に、デーツ(ドライ)に含まれる主な栄養素をまとめます。
栄養素 | デーツ(ドライ)の 可食部100gあたり含有量 |
---|---|
エネルギー | 281kcal |
食物繊維 | 7.0g |
糖質 | 64.3g |
カリウム | 550mg |
カルシウム | 71mg |
マグネシウム | 60mg |
鉄 | 0.8mg |
亜鉛 | 0.4mg |
β-カロテン | 160μg |
ナイアシン | 1.8mg |
葉酸 | 19μg |
デーツに期待される主な効果

栄養豊富なデーツには、便秘の改善やダイエットなど、さまざまな効果が期待できます。
この章では、デーツに期待される主な効果を解説します。
便秘の予防・改善
デーツは、便秘の予防や改善に役立つ食物繊維が豊富です。
食物繊維は、大きく水溶性と不溶性の2つに分類でき、それぞれ以下のような性質・働きがあります。
- 水溶性食物繊維
水分を含むとゲル化し、便を柔らかくして排出を促す。
腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす。 - 不溶性食物繊維
水に溶けず、水分を吸収して膨らむ。
便のカサを増やして大腸を刺激し、排便を促す。
善玉菌のエサとなり腸内環境を改善する。
デーツには、可食部100gあたり水溶性食物繊維が1.5g、不溶性食物繊維が5.5g含まれます。
ただし、不溶性食物繊維を多く摂りすぎると、便が硬くなって便秘を悪化させるおそれがあります。
デーツだけを多量に食べることのないよう、バランスのよい食生活を心がけましょう。
ダイエット効果
デーツは、適量に抑えれば、ダイエットに効果的なフルーツです。
ただし、食べすぎは糖質過多につながるため逆効果です。1日1〜3粒を目安に食べるとよいでしょう。
デーツの1日あたりの適量は、次章で詳しく紹介します。
ここでは、デーツがダイエットによい理由を解説します。
食後の血糖値が上がりにくい
デーツは食物繊維が多く、低GI食品であるため、食後血糖値の急上昇が抑えられます。
血糖値が急上昇すると、脂肪を蓄える働きのあるインスリンが大量に分泌されるため、肥満につながります。
食物繊維には、食後血糖値の上昇を穏やかにする効果があります。
また、デーツはGI値が30〜60程度の低GI食品です。
GI値は血糖値の上がりやすさを示す指標で、値が低いほど食後血糖値の上昇が抑えられます。
※参考:GI Search|THE UNIVERSITY OF SYDNEY
脂肪燃焼効果が期待できる
デーツには、ビタミンB群のひとつであるナイアシンが豊富に含まれます。
ナイアシンには、脂質・糖質・たんぱく質の代謝を助けてエネルギー産生に関わり、脂肪の燃焼を促す効果があります。
むくみや高血圧の予防
デーツは、むくみや高血圧の予防に効果的なカリウムが豊富です。
カリウムには、細胞内の浸透圧を調整する働きがあり、余分なナトリウムの排出を促します。
塩分の摂りすぎで体内のナトリウム濃度が高くなると、それを薄めるために組織の水分量が増え、むくみが生じます。
同様に、血液中のナトリウム濃度が高くなると、血管内の水分が増えて血液量が増加し、血圧が上がります。
また、デーツに含まれるカルシウムとマグネシウムは、血圧の調整に必要なミネラルです。
どちらも、不足すると血圧の上昇をまねくおそれがあります。
カリウム・カルシウム・マグネシウムが豊富なデーツには、むくみや高血圧を予防する効果が期待できます。
骨や歯を強くする
デーツには、骨や歯を形成するカルシウムとマグネシウムが含まれます。
このうち、とくにカルシウムは、日本人に不足しがちな栄養素です。
1日に推奨されるカルシウムの摂取量は、成人男性で750〜800mg、成人女性で600〜650mgですが、厚生労働省の「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、男女とも全世代で推奨量を下回っています。
また、消化管におけるカルシウムの吸収率は25〜30%程度とやや低く、吸収を促進するビタミンDの摂取も欠かせません。
ビタミンDは、魚類やきのこ類に多く含まれます。
丈夫な骨や歯を作るためには、デーツでカルシウム補給をするとともに、他の食品からビタミンDを摂ると効果的です。
※参考:日本人の食事摂取基準 2025版 ミネラル(PDF)
貧血を防ぐ
デーツは、鉄や葉酸が豊富なため、貧血予防にも効果的です。
鉄と葉酸は、以下のような働きで貧血を防ぎます。
- 鉄:鉄欠乏性貧血を防ぐ
赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こす。
日本人に不足しがちなミネラルである。 - 葉酸:巨赤芽球性貧血を防ぐ
ビタミンB12とともに赤血球の生成を助ける。
不足すると巨赤芽球性貧血を引き起こす。
なお、デーツに含まれるのは体内に吸収されにくい非ヘム鉄です。
非ヘム鉄は、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると、吸収率が上がります。
髪や肌を健康に保つ
デーツには以下の栄養素が含まれ、髪や肌を健康に保つ効果が期待できます。
- 亜鉛:新陳代謝を促し、髪や肌の生まれ変わりを促進する。
- ナイアシン・葉酸:髪や肌を形成するたんぱく質の合成をサポートする。
- β-カロテン:抗酸化作用により、肌の老化を予防する。
デーツには、美容効果の高いビタミンやミネラルが豊富に含まれます。
美しい髪や肌の維持に役立つデーツは、美容意識の高い人にもおすすめのフルーツです。
デーツの効果をいかす食べ方

デーツには、美容や健康によいさまざまな効果が期待できます。
この章では、デーツの効果をいかす食べ方を紹介します。
1日1~3粒を目安に食べる
デーツの効果をいかすには、1日1〜3粒を毎日食べるのがおすすめです。
ドライフルーツのデーツは、栄養が凝縮しているため糖質も多く含まれます。
食べすぎると糖質過多になるほか、不溶性食物繊維も多いため、お腹が張るなどの症状が出る場合があります。
デーツ1粒の重さは、種類により差がありますが、大きいもので約20g、小さいもので7〜10g程度です。
デーツ20gには、エネルギーが約56kcal、糖質が約13g含まれます。
間食として食べるなら1日1〜3粒程度にとどめましょう。
美容や健康によい効果を得るには、一度にたくさん食べず、少しずつ継続して摂取することが大切です。
料理やお菓子作りに利用する
デーツは、そのまま食べるのはもちろん、料理やお菓子作りにも利用できます。
黒糖のような自然な甘さをいかしたデーツには、以下のようなアレンジ方法があります。
- 煮込み料理やカレーに加えると、コクが加わり深い味わいに。
- 刻んだデーツをサラダに加える。キャロットラペなどがおすすめ。
- パン、クッキー、ケーキなどの生地に加えて焼き上げる。
- ペースト状にしたデーツと高カカオチョコを合わせると、低GIチョコレートに。
- クリームチーズやナッツと合わせて、おやつやおつまみに。
デーツを料理に利用すると、コクが増して味わいがランクアップします。
美容や健康効果の高いデーツを加えたお菓子は、ダイエット中にもおすすめです。
まとめ
デーツには、以下のような効果が期待できます。
- 便秘の予防・改善:豊富な食物繊維により便秘を予防する。
- ダイエット効果:食後血糖値の急上昇を抑制するほか、脂肪燃焼効果も期待できる。
- むくみや高血圧の予防:デーツに含まれるカリウムが、余分なナトリウムの排出を促す。
- 骨や歯の強化:日本人に不足しがちなカルシウムが含まれる。
- 貧血の予防:鉄や葉酸が多く、鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血を予防する。
- 髪や肌の健康維持:豊富なビタミンとミネラルが、美しい髪や肌を作る。
美容・健康効果の高いデーツですが、食べすぎは禁物です。
デーツの効果をいかすには、1日1〜3粒を目安に、毎日食べるとよいでしょう。
間食としてそのまま食べるほか、料理やお菓子作りに利用するのもおすすめです。
デーツを美味しく摂取して、美容や健康に役立ててみてはいかがでしょうか。