今回はかぶの旬の季節や主な産地、旬のかぶを使った簡単レシピ、選び方と保存方法について解説します。
かぶの旬の時期はいつ?主な産地も紹介

かぶの旬の時期は、春(3月~5月)と秋(10月~11月)の2回で、各季節で味わいや食感に違いがあります。
春(3月~5月)のかぶ:サラダや浅漬けにぴったり
春に出回る「春かぶ」は、小ぶりでみずみずしく、やわらかな食感が特徴です。
アクが少ないため生でも食べやすく、サラダや浅漬けにすれば、やさしい甘みとシャキッとした歯ざわりを楽しめます。
秋(10月~11月)のかぶ:甘みが増し、煮物やシチューに最適
秋に旬を迎えるかぶは、実がしっかりして甘みがぐっと増すのが特長です。
煮物やシチューなどの加熱料理に使えば、とろけるような食感が味わえます。
かぶの主な産地としては、千葉県(全国シェア約27%)が圧倒的に多く、次いで埼玉県、青森県が続きます。
地域によって品種や栽培時期が異なるため、地元産の旬のかぶを選べば、よりおいしく味えます。
北海道でも一部栽培されており、秋の冷涼な気候を活かした出荷が行われています。
参考:食品データ館「【都道府県】カブの産地・生産量ランキング」
かぶの栄養と効能

かぶは体にうれしい栄養素を豊富に含んでおり、葉と根で含まれるものが異なります。
ここではかぶの栄養を根と葉に分けて紹介します。
根の栄養
かぶの根にはビタミンCやカリウム、消化酵素のアミラーゼが豊富に含まれており、胃腸の働きを整える効果が期待できます。
特に、アミラーゼはでんぷんの消化を助ける酵素として知られ、食べ過ぎや胃もたれが気になるときにもおすすめです。
葉の栄養
かぶの葉にはβ-カロテンに代表されるビタミンAやビタミンC、カルシウムなどが多く含まれている点が特徴です。
また、免疫力を高める働きや抗酸化作用によるアンチエイジング効果、さらには疲労回復にもつながります。
葉も捨てずに、おひたしや炒め物などで積極的に取り入れましょう。
参考:JAグループ「春・冬の旬野菜カブ」
旬のかぶで作る簡単レシピ5選!

旬のかぶを使った手軽で美味しいレシピを5品紹介します。
漬物など和風の印象が強いかぶですが、コンソメスープなどの洋風アレンジでも魅力を発揮します。
かぶとソーセージのポトフ
「かぶとソーセージのポトフ」は、具だくさんの体が温まる優しい味わいのポトフです。
材料(2人前)
- かぶ…2個
- ソーセージ…4本
- じゃがいも…1個
- 玉ねぎ…1個
- にんじん…1/2本
- コンソメスープの素…1個
- 水…400ml
- 塩こしょう…適量
作り方
- かぶは葉を切り落とし、皮をむいて4等分にする
- じゃがいも、にんじんは一口大、玉ねぎはくし切りにする
- 鍋に水とコンソメを入れて火にかけ、野菜とソーセージを加える
- 弱火~中火で20〜30分ほど煮込み、塩こしょうで味を調える
- 野菜がやわらかくなったら完成
かぶの漬物
「かぶの漬物」はかぶを薄切りにし、甘酢で漬け込んださっぱりとした一品で、柚子の皮を加えると風味が増します。
材料(2人前)
- かぶ…2個
- 柚子の皮(千切り)…適量
- 酢…50ml
- 砂糖…大さじ2
- 塩…小さじ1/2
作り方
- かぶは皮をむいて薄切りにし、塩をまぶして10分ほどおく
- しんなりしたら水気を軽くしぼる
- ボウルに酢・砂糖を混ぜて甘酢を作る
- かぶと柚子の皮を加えて全体を和える
- 冷蔵庫で30分以上漬け込んだら完成
かぶと豚肉のジンジャーぽん炒め
「かぶと豚肉のジンジャーぽん炒め」は、かぶと豚バラ肉を生姜とぽん酢で炒めた食欲をそそる主菜です。
材料(2人前)
- かぶ…2個
- かぶの葉…適量(あれば)
- 豚バラ肉(薄切り)…150g
- 生姜(すりおろし)…小さじ1
- ぽん酢…大さじ2
- サラダ油…小さじ1
作り方
- かぶは皮をむいてくし形に切り、葉はざく切りにする
- 豚バラ肉は食べやすい大きさに切る
- フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を炒める
- 火が通ったら、かぶ・かぶの葉・生姜を加えて炒め合わせる
- ぽん酢を加えて全体をさっと炒め、味がなじんだら完成
かぶとハム炒め
「かぶとハム炒め」は、かぶとハムを使った彩り豊かなシンプル炒めもので素材のうま味が引き立つ一品です。
材料(2人前)
- かぶ…2個
- かぶの葉…適量(あれば)
- ハム…4枚
- サラダ油…小さじ1
- 塩…少々
- こしょう…少々
作り方
- かぶは皮をむいてくし形に切り、葉はざく切りにする
- ハムは食べやすい大きさに切る
- フライパンにサラダ油を熱し、かぶを炒める
- かぶに火が通ってきたら、ハムとかぶの葉を加えてさらに炒める
- 塩・こしょうで味を調えたら完成
かぶのそぼろあん
「かぶのそぼろあん」は、かぶと豚ひき肉を使い、昆布つゆで味付けしたとろみのあるそぼろあんかけです。
材料(2人前)
- かぶ…2個
- 豚ひき肉…100g
- 昆布つゆ…大さじ2
- 水…100ml
- 片栗粉…小さじ1(同量の水で溶く)
- サラダ油…小さじ1
作り方
- かぶは皮をむいてくし形に切る
- フライパンにサラダ油を熱し、豚ひき肉を炒める
- 肉の色が変わったら、かぶ・水・昆布つゆを加えて煮る
- かぶがやわらかくなったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける
- とろみがついたら器に盛って完成
おいしい旬のかぶの見分け方

旬のかぶをよりおいしく味わうためには、選び方にもコツがあります。
見た目や手触りなど、ポイントを押さえて選んでみましょう。
表面はツヤと白さがポイント
全体にツヤがあり、くすみや変色がないものを選びましょう。
白くなめらかな表面のかぶは新鮮な証拠で、やわらかく甘みも感じられます。
葉の状態で鮮度がわかる
葉付きのかぶを選ぶ場合は葉の状態も大切なチェックポイントで、みずみずしくハリがあり、鮮やかな緑色のものが新鮮です。
葉がしなびたり、黄ばんだりしているものは収穫から時間が経っている可能性があるため、避けましょう。
重みと大きさのバランスを見る
手に取ったときにしっかりと重みを感じるかぶは、水分を多く含み、みずみずしい証拠です。
大きさは直径6センチメートルほどが目安とされており、家庭料理で扱いやすいサイズです。
ただし、煮込み料理などでは大きめのかぶでも十分活躍します。
根の形にも注目を
かぶの根は、一本すっとまっすぐに伸びているものが良質とされています。
また、ひげ根が少ないかぶは、育ちが良く雑味も出にくい傾向があります。
旬のかぶの保存方法

かぶを新鮮な状態で長く楽しむためには正しい保存方法を知っておくことが大切で、葉と根を切り分けて別々に保存することがおすすめです。
葉をつけたままにしておくと、根の栄養分が葉に取られてしまい、かぶ本体の鮮度や味が落ちてしまいます。
根の保存方法
根の部分は新聞紙に包んでから保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
乾燥を防ぎながらも通気性を保つことで、みずみずしさをキープできます。
保存期間の目安は約1週間ほどであり、冷やしすぎると繊維が固くなる場合があるため、冷凍保存にはあまり向きません。
葉の保存方法
葉は湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
日持ちは2~3日程度なので、なるべく早めに使い切るのがベストです。
すぐに使いきれない場合は、さっとゆでて水気をしっかり切ったうえで冷凍保存すると、色味や栄養をキープしながら長期保存できます。
まとめ
かぶは春と秋の年2回旬を迎える野菜で、時期によって異なる味わいや食感が楽しめるのが魅力です。
春のかぶはみずみずしくやわらかく、サラダや浅漬けにぴったり。
秋のかぶは甘みが増し、煮物やシチューなどの加熱料理に最適です。
また、かぶは栄養価が高く、疲労回復やアンチエイジングなど健康にうれしい効果が期待できます。
漬物などの和風料理はもちろん、スープや炒め物など洋風のメニューにもよく合う懐の深い野菜です。
ぜひ旬の時期に新鮮なかぶを取り入れて、食卓に彩りを添えてみてください。