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ふるさと納税と聞くと、好きな自治体へ寄附して返礼品をもらいながら、税金控除を受けられる認識の方が多いと思います。
しかし、実際に自治体へ寄附してから税金控除を受けるには、きちんと書類を整えて手続きを完了させる必要があります。
本記事では、ふるさと納税の手続きで必要な書類と大まかな事務手続きの流れを解説します。
そもそもふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分の生まれ故郷や応援したい自治体に寄附できる制度です。
寄附によって返礼品を受け取れるほか、税金控除・還付を受けられます。
税金控除や税金の還付を受けるためには、「ワンストップ特例制度」もしくは「確定申告」のどちらかで手続きが必要です。
ワンストップ特例制度で必要な書類
ワンストップ特例制度は便利な制度ですが、準備する必要がある書類がいくつかあります。
以下ではワンストップ特例制度に必要な書類について説明します。
本人確認書類
本人確認書類として、以下いずれかの組み合わせで書類を準備する必要があります。
- マイナンバーカードのコピー(表面+裏面の2枚)
- 「マイナンバー通知カードのコピーもしくは住民票の写し(マイナンバー有)」と「運転免許証のコピーもしくはパスポートのコピー」
- 「マイナンバー通知カードのコピーもしくは住民票の写し(マイナンバー有)」と「健康保険証・年金手帳・自治体が認める公的書類のコピーのうちいずれか2つ」
マイナンバーカードを持っていれば一番簡単です。
マイナンバーカードがない場合は、準備できる本人確認書類がなにかによって必要書類の組み合わせが異なるため注意しましょう。
特例申請書
ワンストップ特例制度の申込書にあたる書類です。
書類の入手方法については後で詳しく解説します。
確定申告で必要な書類
確定申告はワンストップ特例制度よりも必要な書類は多くなります。
ふるさと納税の税金控除を確定申告でおこなう方は、以下で解説する内容を読み、書類の準備に漏れがないように注意してください。
寄附金受領証明書
寄附金受領証明書は、寄附をした自治体から送付されるものです。
ふるさと納税をおこなった全ての自治体の寄附金受領証明書が確定申告には必要になります。
マイナンバーカード、もしくはマイナンバーが確認できる書類+身元確認書類
マイナンバーカード(個人番号カード顔写真つき)を持っている場合は、1つの書類だけで番号確認と身元確認が可能です。よって、マイナンバーカードの表と裏それぞれのコピーを準備すれば足ります。
しかし、マイナンバーカードを持っていない場合、以下の番号確認と身元確認書類をそれぞれ1つずつ準備する必要があります。
番号確認書類(本人のマイナンバーを確認できる書類)
- 個人番号通知カード
- 住民票の写し、または住民票記載事項証明書(マイナンバーの記載があるものに限る)
- 身元確認書類(記載したマイナンバーの持ち主であることを確認できる書類)
・運転免許証
・健康保険証
・パスポート
・身体障害者手帳
・在留カード 等々
ワンストップ特例制度と同様、マイナンバーカードを持っていない場合は必要書類の組み合わせが複雑です。
手続き前にもう一度確認するよう心掛けてください。
還付金受け取り用銀行口座の番号
還付金が発生した場合に振り込み先となる銀行口座の番号が必要です。
源泉徴収票
申告者の1年間の収入や所得が記載されている書類を提出しなければいけません。
給与所得者の場合、年末調整の手続きが終了すると勤務先から受け取れます。
一般的には発行されるタイミングは、その年の収入が確定し年末調整が完了する12月末です。
しかし、会社によっては翌年の1月に従業員に渡している場合もあります。
その他控除書類
例えば、医療費控除も同時におこなう場合は、
- 医療費控除の明細書
- 健康保険の医療費のお知らせ
- 医療費の領収書(提出する必要はないが、5年間の保管が必要)
以上の書類を準備する必要があります。
住宅ローン控除の場合は、
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高等証明書
- 土地、建物の登記事項証明書
- 土地、建物の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
以上の書類を準備する必要があります。
代表的な例を紹介しましたが、その他の控除手続きをおこなう場合も別途書類を準備する必要があります。
ふるさと納税で寄附金控除を受ける手続きの流れ
以下では、解説した「必要書類を準備してどのように税金控除まで手続きを進めるのか」を2パターンにわけて解説します。
- ワンストップ特例制度の場合
- 確定申告の場合
ふるさと納税の控除手続きを行う際は、上記の方法を参考にしてください。
ワンストップ特例制度の場合
まずは、手元に特例申請書を準備する必要があります。
入手方法は以下の例が挙げられます。
- ふるさと納税の専用サイトやアプリを利用している場合は、寄附申込の際に、「ワンストップ特例申請制度の利用について」という欄で希望するを選択する
- ふるさと納税の専用サイトやアプリを利用している場合は、マイページから寄附者の住所・氏名・自治体名等々が記入済みの申請用紙をダウンロードする
- 寄附先の自治体に直接連絡して申請書を送付してもらう
特例申請書を入手したら、申請書を記入して必要書類とともに翌年の1月10日までに自治体必着で郵送手続きを完了させる必要があります。
また、オンラインでワンストップ特例制度手続きを一貫して完了させる方法もあるため、気になる方は以下のリンクをご参照ください。
確定申告の場合
前述の必要書類を整えた上で、確定申告は翌年2月16日~3月15日までの間におこなう必要があります。
確定申告の手続きは、以下の2つの方法のどちらかでおこないます。
- 紙面の申告書を税務署へ提出する
- e-Taxでオンラインで手続きを完了させる
最寄りの税務署へ申告書を取りに行き、必要事項を記入して必要書類とともに税務署へ書類一式を提出して申告手続きを完了させられます。
しかし、近年ではe-Taxを利用して、自宅で申告手続きを完了させるケースも多いです。
また、ふるさと納税の専用サイトやアプリの中には、e-Taxと連携できるものもあります。
連携によって紙の寄附金受領証明書を申告書とともにデータで提出できるため、窓口に出向かずスマートに手続きを進められます。
確定申告の詳細が気になる方は、以下のリンクをご参照ください。
ふるさと納税における寄附金控除手続きの注意点
以下では、ふるさと納税の税金控除手続きを進める上で間違えやすいポイントを解説します。
ワンストップ特例制度の注意点
ワンストップ特例制度は確定申告が不要となる便利な制度ですが、利用には条件があります。
利用する前に、以下の条件をクリアできているか確認してください。
- 1年間のふるさと納税の寄附先が5自治体以内である
- ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)である
- 医療費控除や初年度の住宅ローン控除を受ける予定がない
以上の条件を満たしていない場合、確定申告が必要となるため注意してください。
確定申告の注意点
ワンストップ特例制度の特例申請書を提出した後、翌年に医療費控除などで確定申告をした場合は注意が必要です。
確定申告を行うと、ワンストップ特例制度の申請は無効になってしまいます。
ふるさと納税の内容も再度確定申告の手続きで申告する必要があるため、気をつけてください。
その他書類の取り扱いに関する注意点
ワンストップ特例制度の特例申請書を提出した後、翌年の1月1日までに名前や住所などの情報に変更があった場合は別途手続きが必要です。
特例申請書を提出した自治体に、1月10日までに「申請事項変更届出書」を提出しなければならないため注意してください。
まとめ
ふるさと納税で税金の控除を受けるためには、様々な必要書類を確認しながら手続きを進めなければいけません。
本記事を読んで、1人でも多くの方がスマートに税金控除手続きが進められ、より、ふるさと納税を利用しやすくなる手助けとなれば幸いです。